・2 (完結)

□第三十八章
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朝稽古を一人でしている時、携帯が鳴った
ディスプレイを見ると「銀兄」の名前

通話ボタンを押すと少し眠たそうな銀時の声が聞こえてきた



『おはようございます、銀兄』


"おーおはよー、つーか寝てね―よ寝みーよー"



くあっと欠伸をする音が聞こえた




『大丈夫ですか?こんなに朝早くどうしたんですか?』


"んー?今帰って来たんだけどさ〜"




銀時の次の言葉に名無しさんの背筋が無意識に伸びる







"ラボの場所見つかったぞー"







トクンと心臓が鳴る
キュッと口を結ぶと一度深呼吸をした



『ありがとう銀兄、後で場所聞きに行くね?』




そう言うとピッと携帯を切り懐に入れた

そして強く木刀を握りしめると素振りを再会した
気合いを入れる様に、邪念を払うように
流れる汗を気にするでもなく
ただひたすら木刀を振るった






良かった・・・ラボの場所が見つかって
これでアレが見つかれば・・・
と言うか、皆さんにはなんて言って行きましょうかね?
ん〜・・・どうしましょう・・・





流れる汗をタオルで拭きながら名無しさんは着替えるために自室に戻った
そして洗濯したての隊服に袖を通すと皆がいるであろう食堂に足を運んだ




「お!名無しさんちゃんおはよう!」
「おはよーごぜーまさァー」
「おはよう名無しさんちゃん」
「うっす、名無しさん」


『おはようございます!』


案の定4人一緒に朝食を食べていた
名無しさんはご飯が乗ったトレーを持ち、土方の隣へ座った
そして特に会話をする訳でもなく黙々と箸を進める
何時もなら山崎とおかず交換をする筈なのにまったくそんな事はせずただ食べ進める名無しさんに土方は首を傾げる



「おい?卵焼きいるか?」



ズイっと差し出されるマヨネーズまみれの卵焼き
その尋常じゃないマヨの多さに眉を寄せるとブンブンと顔を振った



『い、いりません!!!食べれません!!!』


「土方さん、朝からそんな犬の餌なんか名無しさんに食わせるもんじゃねーやィ」


「あ゛!?何が犬の餌だよ?!マヨ舐めんな!!」


「マヨなんか舐めてません、俺が舐めてんのは土方だけでさァ!!」


「上等だ!ゴラァァ!!刀抜けぇェぇえ!!!」




「ちょっ!!トシ!総悟!いい加減にしなさい!!お母さんそんな風に育てた覚えないですよ!!」



「「誰がお母さんじゃぁァァァ!!!」」


「ぶはァっ!!!アッツ!!味噌汁被ったァァァ!!アッツ!!!」


「ちょっとォォォ!!局長!!ソレ俺の味噌汁うぅぅ!!」




ドンドンヒートアップしていくテーブル
それでも大人しくご飯を食べる名無しさん
その彼女の手がピタッと止まる



『・・・あの・・・』



その声に4人の動きもピタッと止まる
そして注がれる視線
名無しさんは4人を見るとゆっくり口を開いた




















『私、今日ラボに行ってきます』


















「「「「あーラボねラボ、いってらっしゃ・・・・・・・・

















ラボォォォォォォォォォォォ!!!!!!!???????」」」」





4人が一斉に驚愕する中
名無しさんは苦笑しながら味噌汁を啜った











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