・2 (完結)

□第三十七章
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「名無しさんちゃん!今日は君に特別任務をあたえる!!」



鼻息荒くそう言う近藤に名無しさんはビシッと背筋を伸ばす







ここは局長室
近藤は名無しさんを呼びつけると特別任務を言い渡した




『はい!どのような任務でしょうか?』



真剣な名無しさん
近藤は二カッと笑うと





「トシの誕生日会の任務をあたえる!!!」





と言い放った





『へ?誕生日会??』



思わず目を丸くする
任務なんて言うから緊張をもって話を聞いていた名無しさんの全身から力が抜ける




「そうだ!明日5月5日はトシの誕生日なんだ!!」



『あー・・・そうだったんですか!』





恋人の誕生日も知らないなんて彼女失格?とか思いながら名無しさんは苦笑した





「いいか?トシに絶対ばれない様に誕生日会の準備を遂行したい。もちろん名無しさんちゃん一人じゃ大変だろうから山崎とかも使ってもらって構わないから」



『はい、了解しました』




「ちなみに予算は気にせずやってくれ!」



『はい』



「ちなみにバナナはおやつに入ります!」



『何の話ですか!!』



「え?パーチーのおやつの話だけど・・・」



『・・・・分かりました、バナナも用意します』



「頼んだぞ!名無しさんちゃん!!」



『はい!!』




名無しさんは元気良く返事をするとそのまま山崎の元までいった




この時間なら庭でミントンですかね?




案の定、庭を見ればミントンとしている山崎の姿
くすくす笑いながら山崎のそばへ駆け寄る





『退くん!私と一緒に任務しませんか〜?』



「え?あ、名無しさんちゃん!任務って??」



『さっき局長に頼まれちゃって、土方さんの誕生日パーティー』



「あ、そっか。明日か!」


『はい、なので退くんにも手伝ってもらおうかと』



「わかったよ、じゃァ買出しに行く?」



『その前に暇な隊士さんに飾りつけお願いできないか頼んできます』



「じゃァ一緒に行こうか!」



『はい』





そのまま食堂や広間に行き、隊士たちに飾りつけのお願いをした
皆。真撰組紅一点の名無しさんの頼みとあって断るものはいなかった



・・・・が、



(副長ばっかいい思いしてー!!)
(みんなの名無しさんちゃんだったのにー!!)
(副長の鬼ー!!)


などと思ってる事は名無しさんは知る由もない

山崎はなんとなく察して苦笑いをする



























山崎と一旦別れて、隊服からラフな格好に着替えると土方と沖田に出くわした




「どっか出かけんのか?」




そう声をかけられビクーっと背中に汗が垂れる




『新しく出来た甘味屋さんに行こうかと・・』



「一人で行くのか?午後からなら時間作れるから一緒に行くか?」





いやいやいやいや!!!!
これは極秘任務ですからァァァァ!!!
あなたの誕生日パーチーですからァァ!!




ぴくぴくと引きつる笑顔
ちょうどのタイミングで着替えた山崎がやってきた




「名無しさんちゃんお待たせ・・・・って、げっ!副長!!」




「あ?なんだよ山崎、「げっ」って」



「土方さん、察しなせェ、若い男女がオシャレして出かけるなんざデートしかねえでしょう?」



「あァ、デートか・・・ってデートォォォォォォォおお!!!???」



「え!?違います!!副長落ち着いてっ!!!」



『そうです!そんなんじゃないですから!!』




今にも殴りかかりそうな土方を後ろから抱きしめ引っ張る
そして余計な一言を言った沖田を一睨みする
沖田は澄ました顔をしてガムを噛んでいた




「じゃァ、2人でどこいくってんだよ!!??」



『えιだから・・・その甘味屋さん?』



「何で疑問系!?」



『もぅ!!限定10個のスイーツが食べたいんです!土方さんを待ってたらだべれないじゃないですか!!食べれなかった場合責任取れますか?!取ってくれますか!?』



捲し立てる様に言うと、その剣幕に土方は若干尻ごみする




『では退くんと行ってきますんで!』



土方の腰から腕を離すと山崎の手を取った
そしてクルッと振り返ると土方を一睨みする




『尾行なんて真似しないでくださいね!』



そう言われた土方はビクッとする


((尾行する気だったのかァァァァ!!??))


「任しておきなせェ、俺がちゃんと見張ってやすから」」



そう言うと沖田は懐から鎖付きの首輪を土方に掛けた



「うおっ!!って何しやがる総悟ォォォ!!」


「名無しさんの頼みですからねィ。ホラさっさと行きますぜィ?下僕」


「何が下僕だァァァァ!!そこに直れェェェ!!斬ってやる!!」





土方と沖田の言い合いを聞きながら山崎と名無しさんは溜息を吐きながら屯所を出て行った












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