繊月の猫(完結)

□Chapter 7
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「麻裕子、お前今までどこ行って・・・ってどうした?!その怪我!!」



俺は麻裕子の姿を見て目を丸くした
隣に居る万事屋も目ん玉をひんむいている



『あ〜ちょっとヘマしちゃって、』



そう言う麻裕子の姿は痛々しく
頭には包帯を巻いて松葉杖をついていた



「オイオイ、ヘマって何したの?麻裕子」


『え〜っと・・階段から落ちちゃって・・』



そう言うと麻裕子はタハハ、と笑いながら松葉杖をついてこちらに歩いてきた
まだ松葉杖に慣れていないのだろう
その足取りはおぼつかない



「ったく、どんくせぇな」


俺は麻裕子の前に背中を向けてしゃがみ込む
それに彼女は「え?」っと戸惑いの声を上げた



「おぶってやるってんだよ、そんなヨロヨロ歩いてたらまた転ぶぞ?!」


『え、いや、良いですよ!大丈夫なんで気にしないで下さい!』


「そうだよ大串君!なにチャッカリ麻裕子に触ろうとしての?!やるなら俺がヤル!」


『いえ、あの、本当に大丈夫ですから』


「グダグダいってねェでさっさと乗れ!この体制恥ずかしいんだぞ?!」



俺がそう叫ぶと麻裕子は「う〜・・」っと小さく唸りながら俺の背中にのっかてきた


フワリと香る彼女の匂い
それは甘く、俺の脳髄を痺れさせた





『あの・・大丈夫ですか?重くないですか?』


「あ?重くねぇよ、つーか軽過ぎだ、ちゃんと食ってんのか?!」




照れ隠しもあったが、実際彼女の体は軽かった
腕をまわした太ももも折れるんじゃねェか?って思うほど細く、の割には意外に背中に当たるふくらみは大きく・・・・って違ァァァァァァァァう!!!!
変な事考えんな十四郎!
横を見ろ!!
万事屋がいんだぞ!?
此処で顔をニヤつかせてみろ、ぜってーなんか言われるに決まってる!!!



俺はニヤけそうになった口の内側を思い切り歯で噛むとポーカーフェイスを気どった



「ずりーなー、大串君ばっか良い格好しちゃって」


そうブ―垂れながら着いてくる万事屋
つか、なんで着いてくるんだ?



「オイ、なんでテメーまで着いてくるんだよ?」


「はぁ?そりゃ当り前でしょ?麻裕子こんなんじゃ何もできないじゃん!お世話すんだよ!お世話!」


「そう言いながらロクでもねぇこと考えてんだろ!?テメーの魂胆は丸見えだ!!」


「ばっ!!違げーよ!俺はマジで親切心から!!」



『あの〜、どうでも良いですけど、私を乗っけたまま喧嘩するのは止めてくれません?周りの目が痛いんですけど?』






呆れ気味でそう言う麻裕子

土方と銀時はぐっと言い合いたい所を我慢してそのまま店の方へ足を進めた





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