Sword of time-space・時空の刀(完結)
□第34話
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本日の見廻り体勢が急きょ変わった
何時もは2人態勢だが、黒づくめの男たちの襲撃を危惧して4名体勢になった
急な事で仕方なく私は零番隊の隊士を3人連れて見廻りに行く
昨日の様なヘマはしないよう、今日は予備の銃弾を沢山持って行った
そして拳銃2丁、手榴弾数個をホルスターに装備してある
お陰で体が少し重い
ただでさえ、昨日の事情せいで腰が痛いと言うのに・・・
一時間ばかり大通りを歩いたが特に異常は見つからない
自分たちを監視するような視線も、妖しい人物も見当たらない
今日は襲撃なしか?
そう思いながら私たちは住宅街へと足を踏み入れた
車が一台しか通れない様な道
そこに待ちかまえるようにして立っている黒づくめの男たち
お出ましか
昨日の今日で早速現れてくれるとは
口端を釣り上げてほほ笑むと私の後ろにいた隊士らが刀を抜いた
シャッと言う音と共に私も拳銃を抜く
『昨日私たち真選組を襲った輩の仲間か!?私は真選組零番隊隊長城戸麻裕子!貴様ら名を名乗れ!!』
腹の底から声を出す
少しでも情報を引き出すためにこちらから名乗りを上げた
これで名乗らないで斬りかかってきたらテメーら性格悪いぞ!?
私の思いが通じた(?)のか一番前にいた男が黒布で隠した口元を少しずらしニタリと笑った
「私たちは与えられた任務を遂行しているだけにすぎん、名乗る名も素性も持ち合わせてはおらん!」
そう言うと目の前にいた黒づくめの男10人が一斉に斬りかかってきた
接近戦は分が悪い
私は隣で構えていた斎藤に目でアイコンタクトを送ると隊士3人を前に出し、少し後ろへ下がった
何時も通り関節などを狙って撃つが、昨日同様やはり訓練されている様で、それぐらいでは彼らの勢いが止まらない
私は気持ちを切り替え急所に撃ち込んで行った
やはり動きも早い
3人が斬っている合間を縫って私の間合いに入ってく男たち、それを避けるために傍にあったゴミ箱に足をかけ、塀へのぼる
そしてそのまま一気に跳躍して民家の屋根へ躍り出た
此処まで来れば・・・
そう思い後ろを振り返った時、視界にギラリと刀が光った
瞬時に体を捻り横へ飛ぶ
今私がいたところに刀が降りた
ガシャン!と音を立てて割れる屋根瓦
それを横目に見ながら私は体勢を立て直し拳銃を構えた
腹に一発
頭に一発撃ち込む
男が倒れ込み後から追いかけてきた2人の黒づくめの男を巻き込んで屋根から落ちて行く
落ちた所を狙って銃弾をさらに撃ちこむ
『・・・はぁ・・・危なかった・・・』
屋根の上から下を見下ろせば、斎藤たちも片付いたらしく刀に突いた血をピッと払っていた
そして彼らから見えない物陰で黒づくめの男が一人3人の様子を伺っている
仲間か?
3人はその存在に気がついてない
彼らが襲われる前に片づけなければ
そう思い銃口を物陰に潜む男に向ける
が、意外な事にその男は3人に襲いかかる訳ではなくその場を離れて行った
それを目撃した私は無意識に足が動いていく
屋根から屋根を飛んでその男を追いかける
奴を追えば、何かしら黒づくめの男らの情報が入るかもしれない
そんな事を思いながら、3人に何も伝えず、私は男を追ってその場を離れた
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