Sword of time-space・時空の刀(完結)

□第31話
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数分前の出来事





「山崎、お前に頼みがある」



俺はそう言うと懐からマヨネーズを取り出した


「え?何でしょうか副長」


「俺の仕事の書類全部片付けろ、あと薬と冷えピタ買って来い、出来なかったら切腹しろ」



「・・・・副長さっき頼みって言いましたよね?それ脅しですよね?アレ?俺の聞き間違い?」


「あぁ!?だからこうしてマヨネーズ差し出してんじゃねェか!?」


「・・・・いや、何でマヨ?むしろ要らないですよマヨネーズなんて」


「つべこべ言ってんじゃねェ!良いから薬と冷えピタ買ってきて俺の仕事をしろって言ってんだよ!?マヨネーズやっから!!!」


「だからいらねェって言ってんだろォォォ!!何でもマヨネーズで解決できると思うなァァァァ・・・・・・・・って、あ、すいません。口が滑っちゃって・・って・・ぎゃァァァァァァァァァァ!!!すいませんでしたァァァァァ!!!」





グダグダ抜かす山崎を殴って蹴ると俺は一目散に麻裕子の部屋に向かった








これが数分前の出来事



俺は麻裕子の寝顔を眺めながら手の甲で優しく頬を撫でた

すると擽ったかったのか「んンっ」と少し声を漏らして身じろぎする麻裕子




思わず俺は生唾を飲んだ




熱のせいで高揚する頬
少し荒い息遣い
その薄い唇からチラリと見える赤い舌
じんわりと汗ばむ肌




ヤバいヤバいヤバい
変な事考えるなァ〜十四郎
俺は介護に来てんだ
手なんか出すんじゃねェぞォ〜
やっと気持ちが通じ合ったのに此処で下手に手なんか出してみろ?
シロー最低!とか言って嫌われたら元もこうもねェ!
そうだ!十四郎!
ここは耐えろ!耐えるんだ!
麻裕子にスキって言ってもらったんだから、こんなとこで手を出すな!!

・・・・って・・・・ん?


なんだ?


今、なんか引っかかったな・・


・・・・なんだ?



何が引っかかったんだ?



下手に手を出したらダメ。いやこれじゃねェな
シロー最低!。いやこれでもねぇな
ここは耐えろ?。これも違げェな・・・
スキって言ってもらったんだから。これも違・・・・



んん?




んんんんん????



スキって言ってもらったんだから????




んんんんんんんんんんんん???????






あれェぇぇぇぇぇぇぇえ!!??




記憶にねェぞ!?
俺、コイツにスキって言ってもらった記憶がねェぞ!?
そうだよ!そうだ!!あの時、俺は散々好きだって麻裕子に言った
言いまくった
でもコイツからは「キライ」って言葉しか聞いてねェ・・・・


あれ?あれれ?あれれれれれ???


っちょ、っちょっと待て、

え?え!?
でもキスしたよね?うん。した。
舌も少し入れた。うん。確かに入れた。
麻裕子は少し抵抗したからあんまり濃厚なのは出来なかったけど、しっかり舌は入れた。
恥ずかしかったのか俺の舌を躊躇いがちに少しだけ絡めて来て・・それが可愛いのなんのって・・・・・・・・


だァァァァァ!!違う違う違う!!そうじゃねェ!!

俺らは恋人同士なんだよな?
それで良いんだよな?
え?
いいんだよね?
そうだよね?
あれ?
なら何で俺は麻裕子からの好きって言葉聞いてねェんだ?
可笑しくねぇ?これ可笑しいよね?
なんで?なんでだァァァァァァ!!!???






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