Sword of time-space・時空の刀(完結)

□第25話
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「うおォォォォ!!麻裕子ちゃん!可愛い!めちゃくちゃ可愛い!マジで養子においでェェ!!あ!写真撮らせて!勲と一緒に写真撮って!」



『アホか、絶対撮らねェ!つーかさっさと行くぞ中原!』




屯所前に止まった黒塗りのベンツ
それに乗り込もうとする麻裕子

その姿は普段しない化粧をしっかりとして綺麗な振袖を着ている
彼女のその白い肌に映える様な真っ赤な着物に中原は満足そうに笑みを零した




「麻裕子は何もしなくても可愛いけどそうすると一段と可愛いね〜」


「本当でさァ、馬子にも衣装。これから七五三ですかィ?」


『なんでだよ?どう見ても7歳にも当てはまらねェだろ?真面目にそう見えんなら今すぐ千歳飴買ってこいよ』


「ったく、さっさと終わらせて早く帰って来いよ?」



『分かってるよ・・・ってか、何で総悟もシローも私服なの?今日非番なの?』




その質問に沖田と土方の眉がピクンと上がる




「お、おぅ、きょ、今日は急に非番になっちまってな?な?な?総悟?」


「そ、そうでさァ、今から土方さんと一緒に土方スペシャル食いにいくとこなんでさァ!」





明らかな挙動不審に2人
沖田が土方スペシャルを食べるなんてありえない
そんな事を思いながら麻裕子が不審な眼差しを向けるが
それを声に出す前に車が発進してしまった




『あ、じゃぁ行ってきます!夜には帰りますので留守中零番隊をお願いします!』


「おー!大丈夫だぞ!お父さんに任せなさい!」


「いってらっさい」


「早く帰って来いよ」




3人が見送る中、麻裕子と中原を乗せたベンツは走り去っていってしまった
そしてベンツが見えなくなってから
ギンっと瞳孔を開いた土方と沖田
速足にパトカーへ向かうと2人で飛び乗った




「オイ総悟、場所は分かってんだろうな」


「バッチリでさァ、高級料亭杜鵑、今日そこは麻裕子の見合いの為に貸し切りになってまさァ」



「え?何何?麻裕子お見合いすんの?」


「あぁ、だから今からそれを・・・・」


「「「・・・・・・・」」」






「万時屋ァァァァァァァ!!??」
「旦那じゃねェですかィ」





2人以外の声が後ろから聞こえ土方と沖田が後部座席を振り返ればそこには銀時の姿
ジャンプを片手に運転席と助手席の背もたれに肘をかけ2人を見ていた




「ななななななんでお前が乗ってんだよ?!」


「あ〜なんか2人が慌ただしくパトカーのってったから何かあんのかな〜?って・・・・暇だったし」


「コチトラ暇じゃねェんでさァ、旦那降りれ下せェ」


「え〜?良いじゃん、麻裕子の見合いだろ?俺も見てェし」


「ふざけんじゃねェ!今すぐ降りやがれ!!」


「まぁまぁ瞳孔開いてますよ〜?今の敵は俺じゃなくてその見合い相手なんじゃねェの?見合い邪魔しに行くんじゃねェの?それなら俺も手伝うよ?」





図星な事を言われ2人は思わず言葉に詰まる
しかし
確かに見合いを邪魔するならば2人よりも3人
人手は多い方が良い


少し考えた土方と沖田はお互いに顔を見合わせるとコクンと頷いた




「見合いの邪魔はしても俺らの邪魔だけはしねェでくだせェね」


「その瞬間ぶった斬るからな」


「オーケーオーケー」





今回、ただのお見合いではなく
暗殺お見合いと言う事をしらない3人が此処でお見合いぶっ潰しパーティーを組んだ


高級料亭杜鵑でなにが起こるとも知らずに








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