Sword of time-space・時空の刀(完結)

□第2話
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『はぁ・・・シローくんのせいでもぅ疲れたんですけど?』



「何だシローくんって!?俺は犬か!?」



『犬だろ?幕府の犬!お前にぴったりじゃん。シロー君』



「お前マジ女で上司じゃなかったらぶった斬ってるぞ」



『瞳孔開かないでくれますかァ?その内マジで目ン玉落ちますよ?』



「落ちるかァァァァ!!!」






土方の横に並び街を見回る
麻裕子は先程土方から渡された管轄区域の地図を確認して行きながら道を頭に叩き込んだ




『なァ、シロー?』


「誰がシローだ!誰が!!」



『あんさ・・ここの道あるじゃん?此処は管轄区域じゃないのか?』





地図を広げて聞いてくる麻裕子
以外に仕事やる気あんだな・・・なんて思いつつ地図を見るために少し顔を寄せた



顔を寄せるとフワリと香る甘い匂い







あー・・・すげー良い匂いだなァ・・・






思わず顔を更に近付けようとして、慌てて口元を押さえてバッと離れた


その行動に麻裕子が眉を寄せる




『シロー?』




顔が熱い
それに気がつかれない様に土方はプイっと顔を逸らすと



「そこは管轄外だ」



と答えて先に行ってしまった



『ちょっ!!コラ待ちやがれ!!何新人置いて先いってんだ!!??』



「うるせー!!新人なら新人らしい態度を示せ!!」







火照った顔を隠す様にズンズンと先を行く土方



麻裕子は、はぁと溜息を吐くとその背中についていった






自分の歩む道を示してくれるかの様なその広い背中を見ながら、彼女はニヤリと笑う






土方十四郎


自分が尊敬する土方歳三とは違ったが
コイツの腕もなかなかだ・・・





自然と零れる笑みを噛みしめながら麻裕子は土方の背中を追った










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