Sword of time-space・時空の刀(完結)

□第2話
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広間に戻ると近藤が全裸で迎え入れてくれた




『・・・・・・・・・』




「麻裕子ちゃん!今日は無礼講だ!!どんどん飲んでくれ!!」



素っ裸で酒瓶を手に持っている近藤
それに麻裕子は口元をピクピクと釣り上げると愛用のコルト・ガバメントをサッと抜き、その下半身に銃口を向けた




『何乙女に汚いもん見せてんだ?今すぐ排除してもいいですよね?つーか排除させろ、クソゴリラ』



「え?!わっ!待って!!撃たないで!!息子は!!息子だけは!!」



『野生のゴリラでももう少し謹みがあるでしょ?この変態野郎』



「麻裕子ちゃん!ダメ!ダメ!局長撃っちゃダメ!!」


『退、私は局長を撃つんじゃないんだよ、この汚いゴリラを撃つんだよ』



「ゴリラでも俺らの局長ですからァァ!!」


「山崎酷い!今ゴリラって言ったァ!!」


「アンタはそんな事気にする前に、自分の恰好を気にしろよォォォ!!」





ガっと山崎に一発殴られた近藤は見事気絶をし、その裸体に着物がかけられた
それを見届けた麻裕子は近藤が持っていた酒に手を付ける




「お?麻裕子も飲める口なんですかィ?」




フラフラとやってきた若干顔の赤い沖田
それを見ながら麻裕子は余っていた徳利に酒を注ぐ




『いや?酒は飲んだことないな、でも今日は無礼講らしいから』



そう言いながらチビリと酒を舐めた



「アンタの歓迎会ですからねィ?主役が飲まねーでどうするってんでィ!」



『アンタは酔いすぎ』



「麻裕子ちゃんあんまり飲み過ぎないでね?」



『うっさいなー、分かってるよ退。もし潰れたら部屋まで運べ』



「はぁ!?麻裕子ちゃんの部屋一番遠いんだけど!?」



『上司命令!逆らえば切腹だコラ』



「めちゃくちゃ理不尽な上司だよね?それパワハラってゆーんだよ?知ってた?」



『ソコにセクハラも混ぜようか?』



「Σ!?俺の体に何する気?!」



『全裸で縛って木に吊るす』



「それセクハラ超えてるんですけどォォ!?」



「麻裕子もドSですねィ?兄弟の盃でも交わしますかィ?」



「え?麻裕子ちゃんのこのキャラは・・・」



『山崎、それ以上言ったらマジ全裸。』



「Σ!はいっ!!」



『沖田総悟、土方抹殺の手は組むが私はドSじゃない』



「あり?そうなんですかィ?まぁ俺としては土方抹殺に参加してくれるだけで十分ですけどねィ?」



「・・・・・・誰の抹殺だコラ?」



「『あ。土方』」



「上司を呼び捨てたァーいい度胸だなコラ」



『私の方が上司だコラ』



「真選組に入った時点で俺がお前の上司だ馬鹿」



『マジウザっ!死ね土方十四郎』



「死ね土方、マヨ方、キモ方」



「総悟ォォォォォ!!!!!!テメー今すぐ介錯してやらァァァァ!!!」




チャキっと刀を抜き沖田を追っかけまわす土方
それを眺めながら麻裕子はチビリチビリと酒を舐めた
隣では山崎が同じように酒を飲んでいる






『・・・退くん・・・・その後何か分かった?』



その麻裕子の質問に山崎は少し苦い顔をすると「ごめん」と呟いた



『そっか・・・もぅ2カ月になるのに・・・私ずっとこのままこっちの世界にいなきゃなのかな?』




コトリと持っていた酒を床に置き、麻裕子は膝を抱えて丸くなった
それを見ながら山崎は残っていた酒を飲み干す




「引き続き調べるから、気を落とさないで?ね?麻裕子ちゃん?」



山崎が優しく微笑みかけると麻裕子は項垂れていた顔を少しだけ上げ、山崎に微笑みかけた



『よろしくね?退くん』






先程までの毒舌キャラは何処へやら?
急に大人しくなった麻裕子に山崎はその頭を撫でてやった
それにも大人しくされるがままの麻裕子




部屋の端でこんな光景が繰り広げられてるのを誰も気づくことなく、その日の宴会は終わりを迎えた









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