Sword of time-space・時空の刀(完結)

□第35話
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「「ひーじーかーたァァァァァァァ!!!!今すぐ出て来いィィィィ!!出てこねえと眼球にマヨネーズ塗りこむぞォォォォ!!!」」



屯所に銀時と沖田の叫び声が響き渡る
そのふざけた声に反応して奥からバタバタと猛スピードで土方が走ってきた
瞳孔が開いている
その姿がナマハゲに酷似している事は胸にしまっておこう




「うるせぇぇぇぇぇぇ!!何マヨネーズ眼球に塗りこむって!?つーか、なんで万事屋がいんだァァァァァァ!!??」



「でェぇぇぇぇ!!??ぐほふっ!!!」





走ってきた勢いそのままで銀時に向かってとび蹴りを炸裂する土方
それをモロに受け、銀時は地面にめり込んだ





「落ち着いてくだせェ、土方さん。どうやら麻裕子が大変らしいですぜ?」



その言葉に土方の眉間にグッと皺が寄る



「んなこたァ知ってんだよ!!今斎藤ら零番隊が捜索中だ!!」



次は沖田がその言葉に眉間の皺を深くする



「は?捜索中?麻裕子どうかしたんですかィ?」



「あ゛!?麻裕子が行方不明なんだよ、テメーが言ってた麻裕子が大変ってその事だろ?!」



「違いまさァ、麻裕子が行方不明?・・・こりゃ一足遅かったですかねィ旦那」




沖田のセリフに地面にめり込んでいた銀時が口に入った砂をぺっぺっと吐き出しながら立ち上がった
それをポケットに手を突っ込みながら土方が睨みつける




「どういう事だ万事屋、一足遅かったてーのは」




土方がそう言うと銀時は膝に突いた砂を叩きながら先程中原から言われた事を伝えた


麻裕子を守ってくれと


その言葉に土方は少し考えるように黙り、煙草に火を付けた




「・・・・ちなみに中原は?」


「救急車で病院に運んでくれるように一般市民さんに頼んどいたよ、一応まだ息はあったし、あぁ見えても流石暗殺部隊の責任者さんだね、普通の人間なら出血多量でショック死だよ」


「・・・まァアイツが死のうがどうなろうが関係ねェがな」



そんな非情な一言を吐き捨てて土方は投げ捨てた煙草を踏みつぶした




「んで?今度はそっちの番、麻裕子が行方不明ってーのは?」


「・・・まだ詳しくは分かんねェけど、さっき麻裕子率いる零番隊の見廻り組が黒づくめの男らに襲われた、その最中、麻裕子が忽然と姿を消したみてぇだ」


「・・・・・・それって・・・」


「勘違いすんな万事屋、アイツは刀を振るってなかった、一緒にいた斎藤がそう言ってた」


「・・・・・そうか」


「なんですかィ?刀って」


「いや、何でもねェよ。考えられる線は黒づくめ野郎どもに連れ去られたか・・・」


「携帯は?」


「電源が切られてた、電波を辿って追跡する事もできねェ」




そう言うと土方は、上がれ、と言って銀時を屯所にあげた

今は少しでも情報、戦力が欲しい
例え犬猿の仲のコイツでも
それで麻裕子が無事に帰ってくんなら俺は何でもしてやる

そう思いながら土方はこれまでに掴んでいた少ない情報を銀時に話しだした





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