Sword of time-space・時空の刀(完結)

□第31話
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「38.7℃」



素晴らしく開いた瞳孔で体温計を睨みつけてらっしゃる副長さん

別に体温計にそんな瞳孔開く必要ないんじゃねェ?

なんて思いながらも思い通りに口が動かない



「オメ―何時から熱あったんだよォ?」



『・・・人間生きていれば体温と言うものが・・』


「い・つ・か・ら・だ!?」


『・・・・昨日からです』


「アホか!?なんで昨日のうちに寝ておかなかったんだよ?!」


『・・・・・返す言葉がありませんι』


「ったく、今日は一日ちゃんと寝てろよ?」


『・・・はい、ごめんなさい』













パトカーで川につっ込んだのが2日前

その時濡れたままで屯所に帰ってきたから風邪を引いてしまった

シャワーを浴びてる時点で寒気は感じてたんだけど、すっかり薬を飲むのを忘れていて

次の日には熱を出していた
でもやらなきゃいけない始末書(ダメにしたパトカーのね)があったので、辛いなんて言ってられず無理して仕事をしていたのが昨日

そして無理がたたって、本日ぶっ倒れました





んで冒頭に戻ります







シローに布団を鼻先までかけられ、大人しく寝ていると未だにシローの気配
あれ?と思って布団から顔を覗かせると
そこには心配そうにこちらを見るシローの顔





『え?シロー?仕事戻んな?こんなとこに居たら風邪移っちゃうよ?』




そんな私の言葉を無視してシローは私に布団をかけ直した



「そんな心配してんな、お前は治す事だけ考えろ、良いな?」



『え?でも、もしシローに移ったら大変じゃん、私は大丈夫だから、それに書類溜まってるんじゃないの?』


「俺が良いって言ったら良いんだよ!良いから寝てろ!」





有無を言わさぬその迫力に思わず押し黙る

病人に圧力かけるって・・・

そんな事を思っていたらサラリと前髪を割って、冷たい感触がおでこに触れた
思わず声が出る





『・・ん・・・』


「あ、わりぃ・・俺の手冷たかったか?」



思わず引っ込めようとした手を麻裕子の熱で熱くなった手が包み込んだ



『ん〜ん、冷たくて気持ちいい・・・もう少しこのまま・・・』



「・・お、おぅ・・・今、山崎が冷えピタ買ってきてっから、それまで俺の手で我慢しろよ?」



『ん』




そう言うと麻裕子はすぅっとすぐさま眠りについた





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