Sword of time-space・時空の刀(完結)
□第25話
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「「「お見合いィィィィィィ!!??」」」
麻裕子が退院して数日
久しぶりに屯所へやってきた中原がお見合い写真をもってきた
その写真には50代ぐらいのうすら禿のオヤジの姿が写っている
「オイオイ、こりゃ何の冗談だ?なんで俺ら男が男と見合いをせにゃならん」
吸っていた煙草を噛みしめながら土方が中原にその鋭い眼光を向ける
その発言に少し呆れ顔の中原が溜息を吐くとゆっくりと麻裕子を指差した
「なんで男に男の見合い相手を持ってくると思うの?これは麻裕子の見合い相手だよ」
「そうか、そりゃそうか・・・・って、はぁァァァァァァ!!??麻裕子のだとォォォォォォォ!!??」
土方の怒鳴り声にその場にいた全員がおもわず耳を塞いだ
『つーか、マジで言ってんの?なんで私がこんなうすら禿げと見合いせにゃらんねーんだよ?ハゲならまだ原田とかのつるっつるの方がいいんだけど?』
「あれは禿じゃなくてスキンヘッドって言うんだよ麻裕子ちゃん」
「つーか問題はそこじゃねェだろ?!見合い自体が問題だろ?!まだコイツは18なんだぞ!?」
「結婚は16からできまさァ、よかったじゃねェですかィ、行き遅れねェで」
「俺はこんな禿がコイツの結婚相手なんて認めねェェェェ!!!」
「まぁまぁ落ち着いて、別に結婚しろとかじゃないんだし、ただお見合いをしてくれってだけだよ〜」
そう言うと中原は薄く笑いだされたお茶を一口啜った
そして、ほぅと息を吐くと何時のも優男とは一見違った表情を見せる
「これは上からの命令、それだけ言えば分かるよね?麻裕子」
その言葉に麻裕子の眉にぐっと皺が寄った
そしてもう一度だけ写真を見ると大きく溜息を吐きその写真を
中原の顔面に思い切り投げつけた
『用は仕事じゃねェかァァァァ!!!私はもぅ一切特別班の仕事はしねーっていっただろォォォォォォ!!!!!!』
思い切り顔面に写真ブックの角があたった中原はそのデコからブシューと大量の血を噴き出した
「あだだ・・・しょうがないじゃん〜今回は麻裕子の手を煩わせないから、ただお見合いをしてくれるだけで良いんだよ」
その言葉に近藤と土方は眉を寄せる
「あ?そりゃどういう意味だコラ」
「こっちの話、兎に角先方は乗り気だし頼んでいいかな?麻裕子」
『嫌だっていっても連れてくんじゃねェのかよ?』
「まぁ、そうなんだけどね・・・」
二ヘラっと笑う中原
それに対して麻裕子はッチっと舌打をすると煙草に火をつけた
「ダメダメダメ!!お父さんは許しません!!まだ18歳なのにこんなオッサンとお見合いなんて!羨ましい!このオッサン羨ましすぎる!!」
「うっせェ!!アンタは黙ってろ!!」
「近藤さん、後半お父さんのセリフじゃねェでさァ」
「あ、ちなみにお見合いは明後日だから。詳しい事はあとで電話でもするから宜しくね?」
苦々しい顔で煙草を吸う麻裕子に中原はそう告げると少し、悲しそうな笑みを浮かべた
そんな顔するなんてずるいじゃんか・・・
分かってる
本当は中原だって特別班の仕事を自分には持って来たくない筈
前回の時もそうだった
申し訳ないように
己の手を汚すのを悲しそうに切なそうに見る
上からの命令は絶対
そんなの分かり切ってる
麻裕子はまだ長い煙草をぐしゃっと灰皿に押し付けると『分かった』と言って肺に残った煙をすべて吐き出した
その後中原からの電話で言われた仕事内容は本当にお見合いをするだけのものであった
ただ、それは麻裕子だけで
今回のターゲットは幕府関係者
しかし、裏で攘夷志士と繋がらがあるらしく武器の横流し、横領、賄賂、あまつさえ麻薬にも手を出しているといった男だった
流石にそれだけ手広くやっていると目も付けられやすい
マスコミにスクープされないうちに天導衆に始末を命令されたのだ
しかし、この男なかなか警戒心が強いらしく
家や職場の窓は全て防弾ガラス
おまけに外に出るときは周りをガッチリボディーガードに守らせると言った念の入り様
中々手を出せずにいたと言う
そこで、1つお見合いでも設けて気を緩ませた隙にドカンと一発やってしまおう、と言う事らし
流石にお似合いの最中にボディーガードをはべらしておく訳もないと作戦を踏んだのだ
と、言う事で
麻裕子はその男を安心させ見合いの料亭にある庭に彼をおびき出す
その役目となった
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