TaLe

□CLaP 3
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中編のマルコ先生×生徒パロの卒業後の小噺です。










「何よ?鬼畜パイン。」

「ったく、いい加減機嫌直せよい…。」



機嫌直せ…だと?ふざけんな!


あぁ、神様。

私の選択は間違っていたのでしょうか?





「仕方ねェだろい、会食入っちまったんだ。」




高校を卒業して大学進学を諦めた私と。

教師を辞めて本格的に白ひげグループの代理社長として働くマルコ。



本当は大学で古文を学んで、ロビン先生みたいに教師になりたかったけれど。

初めての夜に語られたマルコの夢を叶えたくて。

ただそれだけで、高校卒業と共にマルコと結婚した。


蜜月とは、よく言うが…。



「晩飯はいらねェ…今日も帰り遅くなるから、先寝てろよい。」



甘々な新婚生活なんてものには程遠い毎日。

まぁ、相手は次期社長なんだ…仕方ない、仕方ない。


そう思い続けて早半年。


「もう耐えれそうにないかも…。」

「あんたねぇ…それ我が儘ってもんよ?」


女子大生絶賛満喫中のナミにジトリと睨まれる。

大切なものは命と母親のベルメールさんと姉のノジコさんが実家で作る蜜柑と…お金っ!と高らかに宣言するナミだ。

ナミからすれば俗に言う玉の輿に乗った私の愚痴など、大した事じゃないんだろう。



「それに…マルコ先生の夢『だけ』叶えば良かったんでしょ?」



そう、なのだ。

高校時代は、そう思ってた。


自分の夢よりも、マルコの夢が大切で。



「私は言ったわよ?マルコ先生にあんたの夢話したら?って。」



確かに、言われた。

でも、でも。



「邪魔、したくなかったんだもん…。」



そう返せば苦笑しながら私の頭を撫でてくるナミ。

まぁ頑張りなさいと一言残して、社会科地理専攻のナミは午後からの講義を受けに大学へと向かった。


一人とぼとぼと帰路について、最早慣れてしまった家事をこなす。


“そういえば…。”


最近、連日深夜帰りのマルコに拗ねて、彼の書斎の掃除を全くしてなかったなと思い出して。

マルコの書斎に足を踏み入れた。


沢山の本棚にシンプルな机と、高価ながらもシンプルなデザインのオーディオ。


掃除なんて必要無いくらい、整理整頓されている部屋は、余りにもマルコらしくて。

思わず、笑ってしまった。


不意にチラリと本棚を眺めると。


教師時代に使っていたのであろう沢山の数学書。

経理や経営学など、大企業の社長に必要とされるであろう沢山の本。

何書いてるのか分からない英字の難しい本も沢山ある。

そして、マルコの好きな海の写真集や絵画集や海洋学の本達。


そこまで見て、明らかに彼が自分の為に買ったとは思えない本が、大量に並んでいた。


古典文学に関する本。

国語の教員試験に関する本。

教育学部のある大学の資料。

来年度卒業者向けの大学受験の問題集や、センター試験の問題集。


まさか…まさか。


そして、それらの本達が並ぶ列の最後には、三冊の冊子。



私の卒業アルバムと。

恋人になる前から、学校行事等で撮影した私が映っている写真が収められている、薄めのアルバムと。

恋人時代から撮り続けている二人の写真が収まった分厚いアルバム。


あー…どうして私の旦那様は、こんなにも格好良いんだろう?






貴方の夢=私の夢






私の一年遅れの大学受験の為に

久々に会ったロビン先生から


貴女の事を長々と相談されるのは、

マルコが貴女と付き合ってから以来の事だわ。


そう笑われて、

私は顔を赤くしてしまった。







拍手で好評を頂いた先生×生徒パロの、その後の二人です。

ちゃんとヒロインの夢を汲み取るマルコとか最高だよねって話です←



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