TaLe
□CLaP 2
1ページ/1ページ
特別小噺〜七夕〜
ねぇ、マルコ知ってる?
何をだい?
今日はね、一年で唯一、彦星と織姫が逢える日なんだって。
イゾウが言ってた。
あァ、ワノクニの風習かい。
そうそう。
今日は、短冊っていう細長い紙に願い事書いて、それを笹に吊すらしいよ。
へェ…。
そのタンザクは、ヒコボシとやらと何の関係あるんだい?
そ、それは知らないけど…。
でも、彦星と織姫が離ればなれになった話はイゾウから聞いた!
そりゃァ、何だよい?
彦星と織姫が結ばれた時、彦星は牛飼いの仕事を、織姫は織物の仕事を放棄して。
ただただ惰性に二人でイチャラブしたんだって。
イチャラブって、お前ェ…。
まぁまぁ。
それで、それに神様が怒って、二人を天の川で別れさせたの。
自業自得って訳かい。
そう。
でも、あまりに愛し合ってた二人だから凄く悲しんでしまって。
それを見兼ねた神様が、一年の内、たった一日だけ会う事を許したんだって。
そいつが今日なのかい?
そう、七月七日、七夕っていうみたい。
その日は、天の川に白鳥座が翼を広げて、天の川の橋みたいになって、二人を逢わせるらしいよ。
しかもっ!雨降っちゃったら、天の川の水嵩増すから、もし今日雨降ったら、また一年会えず仕舞なんだって…。
…ふーん。
…何、その無関心さ。
だってよ、お前ェ。
俺等にゃァ、んな障害染みたモンなんざ関係ねェだろい?
…へ?
もし俺が、そのヒコボシとやらだったらなァ。
アマノガワだろうが、雨降ろうがちっとも関係ねェしな。
そもそも白鳥なんざいなくても、俺ァいつでも、お前ェに会いに飛んで行けるからねい。
マルコ…?
神様だか何だか知らねェが、もし俺がヒコボシなら、毎日オリヒメに…お前ェに会いに行ってやるよい。
神をも恐れぬ不死鳥様。もしもマルコが
彦星ならば
織姫になってみるのも
悪くは無いね七夕にちなんだ拍手小咄でした。