TaLe

□CLaP 2
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特別小噺〜七夕〜








ねぇ、マルコ知ってる?



何をだい?



今日はね、一年で唯一、彦星と織姫が逢える日なんだって。

イゾウが言ってた。



あァ、ワノクニの風習かい。



そうそう。

今日は、短冊っていう細長い紙に願い事書いて、それを笹に吊すらしいよ。



へェ…。

そのタンザクは、ヒコボシとやらと何の関係あるんだい?




そ、それは知らないけど…。

でも、彦星と織姫が離ればなれになった話はイゾウから聞いた!



そりゃァ、何だよい?



彦星と織姫が結ばれた時、彦星は牛飼いの仕事を、織姫は織物の仕事を放棄して。

ただただ惰性に二人でイチャラブしたんだって。



イチャラブって、お前ェ…。



まぁまぁ。

それで、それに神様が怒って、二人を天の川で別れさせたの。



自業自得って訳かい。



そう。

でも、あまりに愛し合ってた二人だから凄く悲しんでしまって。

それを見兼ねた神様が、一年の内、たった一日だけ会う事を許したんだって。



そいつが今日なのかい?



そう、七月七日、七夕っていうみたい。

その日は、天の川に白鳥座が翼を広げて、天の川の橋みたいになって、二人を逢わせるらしいよ。

しかもっ!雨降っちゃったら、天の川の水嵩増すから、もし今日雨降ったら、また一年会えず仕舞なんだって…。



…ふーん。



…何、その無関心さ。



だってよ、お前ェ。

俺等にゃァ、んな障害染みたモンなんざ関係ねェだろい?




…へ?



もし俺が、そのヒコボシとやらだったらなァ。

アマノガワだろうが、雨降ろうがちっとも関係ねェしな。

そもそも白鳥なんざいなくても、俺ァいつでも、お前ェに会いに飛んで行けるからねい。




マルコ…?



神様だか何だか知らねェが、もし俺がヒコボシなら、毎日オリヒメに…お前ェに会いに行ってやるよい。








神をも恐れぬ不死鳥様。








もしもマルコが

彦星ならば

織姫になってみるのも

悪くは無いね







七夕にちなんだ拍手小咄でした。



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