TaLe
□CLaP 1
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「小せェ手。」
「マルコが大きいんだよ。」
「いや、お前ェが小せェんだ。」
「違うもんっ!マルコが大きすぎるのっ!」
「…プッ。」
「なっ!?笑わないでよっ!」
「くくっ。…あァ、悪かったよい。」
「全然思ってないでしょっ!」
「思ってないねい。」
「なっ!?」
「俺は褒めただけだろい?」
「いつ褒めたっ!?」
「褒めたじゃねェか、小さくて『可愛い』って。」
「…っ!」
「あァ、その顔も『可愛い』ねい。」
「も、もうマルコなんて知らないっ!」
「くっ、ハハハッ!悪かった悪かった。」
「だから全然思ってないでしょっ!?」
「いや、今度は思ってるよい。」
「…?」
「…俺から離れんじゃねェよい。」
「…っ!」
「まァ、離すつもりもねェが、な。」
小さな手が、大きな手に包まれる。どんなに私の機嫌が悪くても、一瞬で直す不思議な手。
この手が私に触れてくれる事。
それが、一番の幸せ。fin.