TRiP

□反則です
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街に繰り出したは良い。

女の子とショッピングも、楽しいから良い。



だが…。






この荷物の量は何だ?






昨日、散々見た服屋に今日もまた連れ出された私は。

途中で行き会ったマリーさんも合流したのもあり、現在進行形で服に埋もれそうになっております。


しょうがない女の子はお洋服が大好きだもの。

しょうがない。

しょうがない。






それでも、限度があんだろおぉぉぉぉおっっっっ!!???



あの大和撫子的なグレイスさんでさえ、ルンルンで服選んでは山の様に買ってるし。

それを嬉しそうに見ては、グレイスさんに服を見繕っては山に乗せていくイゾウさん。

あ、イゾウさんは服屋で女子達がキャアキャアしてるのを微笑ましく眺めていると、気付いたら其処に混ざってました。



いや、違和感無さ過ぎて気付いた時はマジでびっくりしたわ。



ついでに、買い出し中だったちびマルコが偶然店の前を通り、『何してんだよい。』と呆れ返ったのを、女子三人とイゾウさんに噛み付かれてタジタジになったのには笑った。

そのお陰で、私は今、ニヤリと笑ったちびマルコに服を見繕われている。





思わず笑ってしまった数十分前の私に言いたい。

絶対に笑うな、と。





「この色良さそうだねい…。」


さっきから私に合わせては、ああでも無いこうでも無いと言って出来た服の山は。

昨日、メアリさんとセイラさんが作り上げた山と良い勝負だ。



「いや、私、昨日沢山買ったので。」

「有るに越した事ねェだろい。」

「いや、昨日船長さんから頂いたお小遣いで買えませんし。」

「あら?船長さんから今日のリンゴの分の小遣い貰ってきたけど?」

「マリーもそう言ってんだ、気にするなよい。」



気 に す る だ ろ 。

え?つか待て。

今日の分の小遣いって…え?あの百万は昨日の分の小遣いだったの?


一日小遣い百万って何処の大富豪だよ。


セレブなの?海賊ってセレブなの?



開いた口が塞がらない、そんな状態でいると不意にちびマルコの声が聞こえた。





「俺はこっちのが好みだねい。」





それにトクリと胸が鳴った。



…けど、ツキリとした痛みも感じた。





「…マルコ隊長サンの好みじゃなくて良いんですが。」





思わず出てきた言葉は、思った以上に刺々しくて。

その言葉に、ちびマルコの動きが一瞬止まった。

…が、直ぐに選ぶ手が動き出した。




「え、ちょっ「良いじゃねェかよい。」…はい?」




そう言って、淡い青のパフスリーブのワンピースを充てがわれた。





「俺がリンゴに買ってやりてェんだ、悪ィかよい?」





片方の口角を上げて聞いてくるちびマルコに。

私はまるで拗ねた子供みたいにプイと顔を背ける事しか、出来なかった。






大人は、狡い。

…私も、ニ十五歳の大人だけど。
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