TRiP
□今日から始まるエトセトラ
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昼寝した。
うん、洗濯が脱水に入ってたから水止めて、じゃあ寝ようってので布団被って、部屋のベッドで寝た筈だ。
此処、何処?
え、何でこんな鬱蒼とした森?林?みたいなとこに私いんの?
あぁ、そうか…夢だ。
じゃあ、寝よう。
寝て起きれば大丈夫だ。
「おい、こんなとこに女がいるぞっ!」
女?誰だそれ?
周り見ても女なんていないけど?
「ゲヘヘッ、こっち来いよ。」
ん?腕掴まれたんだけど。
…私、女だ!(←忘れていた)
「ちょ、待て。私、美味しくないですっ!」
何だか変な事を口走ったが、んな事気にしてる場合じゃない。
これ、危険フラグだよね?バリ3で危険フラグだよねっ!?
「早く船連れてけ。」
船?!
何、船って?私、異国に売られんのか?!
「えっマジ勘弁して下さい本当マジ止めて下さいちょマジ止め「五月蝿ェ女だな。」…すみません。」
何か謝っちゃったんだけどぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!
バイトで培った『取り敢えず謝れの法則』に従っちゃったんだけどぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!
だってだって、十人近い野郎共に囲まれたんだよ?私。
怖くて当然!謝って当然だ、この野郎!!
一応、取り敢えず手足バタつかせてみましたが、首元に刃物突き付けられちゃったら、抵抗出来ませんよねー。
そうですよねー。
一人の図体デカい男に肩に担がれて、さっさと強制送還される私。
…一体私が何をした?
普通に毎日せっせとアルバイトして働いて、普通に生活して…。
あ、洗濯途中だし。
そこまで思って、私は一つ気が付いた事があった。
私を担いだ人の肩が当たる鳩尾に、痛み感じるのは何でだろう?
夢って痛み感じない筈…ですよね?
夢じゃ、ないのか…?
あぁ、目の前が真っ黒になっていく…。