∞×Y

□雷のおかげで
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今は夜中の00:30


ちょっと前から雷がすごくて
かっ、かの…じょ…




の章大がっ…


雷怖がっててん
やから夜中の楽しみのゲームを
中断させて
章大と一緒にいてはるの






「侯くんー!また空光ったー」


カーテン閉めてるんやけど
その隙間から稲妻がちょくちょく見える


章大はそれが目につくらしく
俺に必要以上に抱き着いて来る

実際嬉しいんやけど
章大が怖がってるんもあって
電気着いてるから
俺が恥ずかしなってんの
バレんねん



すると俺の背中から
ひょいと顔を出して言う


「侯くん怖い...」
「大丈夫やから…な?」
「章大は大丈夫じゃないから言ってるのー!」

必死になるとこいつは
自分の事名前で呼ぶから
可愛ええねん


言うべきことを言い終わると
また俺の背中に隠れる



「お、章大?雨降ってきたで?」「ん、本当だ。雷どっかいった?」
「まだ少し鳴ってる」
「早くどっかいけ」




雷ばっか心配するこいつは
雷が本当嫌いなんやなー
って思う

そりゃ章大が可哀相やから
雷さっさと消えろて思うけど

雷のおかげで
こんな長時間抱き着いてくれるんやったら
雷消えるなって
心の底から願うわ(笑)




「ねぇ、侯くん?」
「どした?」
「怖いからちゅうして」

「は?何言うてるん?」



怖いからちゅうって何やねん
出来るかそんなもん
恥ずかし………


「ねぇお願い!侯くんがちゅうしてくれたら
雷鳴ってても離れるから!」

「停電なったらええよ」
「なんでー」
「明るいと俺恥ずかしなるから。」
「じゃあ電気消すもん!」



よう言うてくれるわコイツ
そんな俺とキスしたいんか?
調子狂うわ(笑)


-パチ-


「侯くん電気消したよ」
「おん…」
「早くちゅうして」




「ひゃっ、また光った…」



ちゅうなんか出来るか
しかも怖がるたびに
抱き着く手に力が入るから
ドキドキしてまう


「ねーえ!侯くん!」
「もう黙れや」


そう捨て台詞を吐いた俺は
高速で章大の唇に口づけて
もとの位置に戻った


「んっ、…びっくりした…」
「……」
「じゃあ約束通り離れる」


章大が俺から離れようと
した時
章大の手を掴んだった


「え?何?」
「離れんでええねん、俺かて雷怖いっちゅーねん」
「……侯くん可愛いね」







うっわ、うっわ、うっわ
俺何言うてるんやー
恥ずかし 恥ずかし

やけど衝動的に身体が章大の方を向く

「さっき一瞬すぎたから
今度はもっとな?」


そう言った俺は
章大の唇に噛み付くようなキスをした



「……っン…。」


「こんなん今夜だけやで?」
「………侯くんもっと好きになった」


「今何も聞こえへんかったわー」











雷のおかげで
(雷鳴らへんかなー)
(侯くん積極的になるから)
(雷好きんなったもん)
(そゆ事言うなや)






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