短編

□だめだこれ
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正直に言うとコキリ族である私は、友達のファドという女の子が怖い。
遠くから見れば普通の女の子だが、近くで見ると不気味な笑みをいつもして、喋ることも少し怖い雰囲気がある。必然的に周りの子はファドとはあまりかかわろうとはしない。かかわろうとするのは、サリアかリンクか私ぐらい。


ファドは今日もフフフと笑い、切り株の近くにたっていた。
見かけた私は、話しかけようかと迷っているとファドは気づいたのか、じーと穴が空くくらい私を見る。
こっちに来てお話しでもしよう。視線でそう言っているような感じだった。
このまま居ても何も始まらないので私はファドのところに行った。



「フフフフフフ。来たね。」
「うん。ファド、今日はなんだかいつもより機嫌がいいね」
「フフッ!!今日、良いことを思いついたの」
「良いこと?」
「そう良いこと」


いつもより機嫌がいいファドにその良いことを聞くと、笑みを深くして言った。


「あの役立たずのデクの樹サマの葉を全部採って、焚き火でもして、そして残った木を燃やそう、って思いついたの。」


…ファド、いまなんていったの。デクの樹サマの葉で焚き火?そして燃やす?


…ヤバイよ。ファドは絶対にやる。
前にもミドに、とてつもないいたずらをした、とサリアから聞いたことがある。
とりあえず落ち着いてファドを止めようと口を開いたが、ファドはとんでもないことを口にした。


「ちなみにサリアとリンクに話したら同意してくれて、この後すぐにやることにしたの。フフッ!!」
「エェェェ!!ちょ、マジで!なんでサリアとリンクも!?」
「フフフっ!!サリアとリンクもヤル気満々だった。
二人は他の子にも伝えてくるって嬉々してた」


サリアァァァ!!
リンクゥゥゥ!!

二人もデクの樹サマを燃やしたいのか!!
しかも他の子にも、ってみんなも燃やしたいのか!!


「そう、みーんな燃やしたいの。デクの樹サマを。フフッ!!」



だ め だ こ れ。

デクの樹サマ、今日があなたの命日です





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