短編

□俺の嫁は
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勇者三人の名前表記

時オカ→トキ
トワプリ→黄昏
スカイウォードソード→空

三人は一緒に住んでいる設定。
時オカリンクは大人だけど、ムジュラの仮面クリア後。
スマブラみたいな感覚。
リンク×ゼルダ要素あり?



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「いいよな、トキと空はゼルダ姫とラブラブで」
黄昏が言葉通り黄昏ながら言った。
「ラブラブ?」
トキは首を傾げながら椅子を逆に座っている黄昏を見た。その姿をじと目で黄昏は見た。トキは洗濯物をたたんでいた。
「ラブラブでもないよ黄昏。ゼルダとは友達だし」
ニッコリ、と笑顔で言うトキに黄昏は溜め息をついた。
心はまだまだ子供なんだな。黄昏は窓の外を見て思った。
「それでもさガノンドロフとの最終決戦の時、攻撃くらったら姫が、キャア!って悲鳴あげるじゃん。こっちなんて姫に会った時はオオカミの状態だし、二回しか会ってないのかガノンドロフとの一騎討ちの時、攻撃くらっても悲鳴一つもあげない超クールだし、トキ達の方がラブラブだよなーって」
窓から洗濯物をたたんでいるだろうトキに顔を向けると息を呑んだ。
「ラブラブじゃないよ。ゼルダとは友達だよ」
無表情。だが、憂いを含む表情に黄昏は後悔した。
トキは、七年の時を越えてハイラルは救ったが、結局事が起こる七年前に戻され何もなかった事になった。
種族は違えど兄弟と言ったダルニア。ゾーラ族の姫ルト。牧場娘のマロン。ゼルダとも出会わなかったことになった。その上、相棒とも別れた。
七年後の世界は救われたが、戻された時代にはガノンドロフがいる。また悲劇は生まれる。その中で悩んだ彼は、未然に悲劇を防ぐ為にゼルダ姫に会った瞬間どんなに絶望しただろう。
自分は知っているのに相手は知らない。
トキは、少なからずゼルダの事が好きであっただろう。その事を考えるとその絶望は計り知れないだろう。
最終的にゼルダと共に悲劇を防いだが、二人の間には友情しかなかった。いや、友情以上のものがあったとしても二人の間に愛は出来なかっただろう。
そう考えると黄昏は無性に謝りたくなった。
「謝らなくてもいいよ」
心を読んだようにトキが一言。
「ああなる運命だ、って薄々気づいていたから」
洗濯物をたたみ終わったトキは立ち上がり、リビングにあるテーブルに洗濯物を置いた。
見た目は大人だが、実際はまだ子供のトキ。しかし、三人の中で一番人間の心理的な部分を見てきたのか妙に大人な彼。
世界を救うとはいえ、大切なものをたくさん捨てたトキは歴代の勇者達の中で救われない勇者だろう。
こんど労ろう。黄昏はひっそり思った。
「それにさ、三人の中でゼルダとラブラブなのは空だから」
トキは笑って言った。



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