読み物《短編》

□貴方と二人で…【後】
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『全く……よりによって執事のアタシをもう一度見たい。だなんてどうゆう趣味してんのョ!アイツ!』



心の中で悪態をつきながらも葬儀屋からのお願いを律儀に守る自分がいる。



「アンタだから……ョ。」



独り言の様に呟くと軽く深呼吸した。そして意を決しドアに歩み寄る。



コンコン……と小さく、遠慮気味にノックをすれば「開いてるよぉ?」と返事が返ってきた。



「あ、あのぉ……お待たせしてすみません…。」



「いらっしゃい。なかなか入って来ないからそのまま帰ってしまうかと思ったよ。」



「そ、そんな事は……「うん。ないだろうねぇ。君は女優だ。きっと来ると思ってたよ。ちゃんとその姿でねぇ。ヒッヒッヒッ……」



「ッ?!あ、当たり前でしょ。約束は守るわョ!あっ!」



無意識に口調が戻り慌てて口元を抑えたグレルに葬儀屋は吹き出しそうになるのを堪えながら、お茶の用意を始めた。
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