読み物《短編》
□貴方と二人で…【前】
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しかし、たまには葬儀屋と外へ出掛けたい。つまりは【ラブラブデート】なるものをしたいのだ。
「こ〜んなにイイお天気なのョ?出掛けたくならない?腕を組んで街を歩きたいわ。ショッピングして、お食事して、お洒落なカフェで一休み。んふ★アタシね『はい、あーん。』っていうのに憧れてるの。」
「あーんねぇ……。」
想像力が追いつかない葬儀屋は頭上にハテナを浮かべるが、一方のグレルはウキウキしながら説明を続ける。
「やりましょ?」
「何を?」
「……アンタわざとやってる?」
一向に話が進まない中、グレルはイライラし始めるが当の葬儀屋は相変わらず呑気にクッキーを齧っていた。
「ヒッヒッヒッ。そうだねぇ。じゃあ、帰ってきたら今度は君が小生のお願いを聞いてくれるかい?」
クッキーをくわえたまま首を傾げて訪ねた。
「お願い?ん〜、アタシが出来る事なら……」
「あぁ、出来るさ。寧ろ君にしか出来ない事だよ。さぁ、出掛けようかね。」
「んふ★デートね。」