Duty デューティ

□9話 寄生虫?
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 学校が終わるとすぐに新しい家に帰った。
誰かが待ってくれていると思うと、急がずにはいられなかった。

玄関を開けて家の中に飛び込むと、オレンジのズボンに上半身裸のセナの背中に追突した。
「お。お帰り。」
「うぅ…あ。」

 驚いて後退りをすると、傘立てに足をとられ、思い切り壁に頭をぶつけた。
「大丈夫?」
「なんで裸なの?」
「え。ズボン着てるよ?」
「いや、なんで上…着てないの?」
「風呂に入ったんだよ。それより大丈夫?痛くなかった?」
「うるさい。」

 セナをよけて家の奥へ入ろうとした。
するとリョウとルナの他に、見知らぬ男が1人、視界に飛び込んできた。
スーツ姿の男は私と目が合うと思い切り嫌そうな顔をした。
「だからか。生活費が急上昇していたのは。」

男はソファーに偉そうに座っているリョウに低い声で言った。





「だから何だよ。仲間が1人増えたから1人分金を増やしてくれって言っただけだろ?」「ふざけるな!お前らは仕事をしているから生活費を全て政府で負担してやっている。仕事に無関係のない奴の生活費は出してはやれない。」
 ルナはその言葉に腹を立てて言った。
「で?何だよ。生活費出さないで、この子を殺せって言うのか?林田。」
「捨てて来い。」

 それを聞いて、セナは目を丸くした。
「ちょっと待ってよ。捨てて来いって、理真ちゃんのこと?」
「あぁそうだ。」
「…犬みたいに言わないでよ!寄生虫のお前が!!」
「誰が寄生虫だアホ。」

 セナも無残に斬り捨てられた。
この原因は紛れもなく私だ。

もしや、彼らは一切の生活費を政府に負担してもらっていて、その生活費に私のものも含まれていたのではないだろうか。

あくまで推測だが、この男、セナが寄生虫と言った男は政府の関係者なのだろう。
これはまずいことになった。
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