Duty デューティ
□16話 最後のアンドロイド
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「オレは…人がアンドロイドだからと言っても、奴にそんなことはさせたくない。」
それが彼の答えだった。
「どうして?人間が造ったアンドロイドなんでしょ?」
「…もう奴はアンドロイドじゃない。1人の人間と同じだ。反省することもできる。笑うこともできる。…恋をすることもできる。でも奴には涙を流すことはできない。」
「涙?」
「奴は涙を流せないってだけで、人の痛みを分かってやれない。人の悲しみを分かってやれないと嘆くんだ。…オレはそんな…人を一生懸命理解しようとしてる奴を、強制的に死なせに行かせることはできない。…だけど、きっと奴はもう動き出してる。」
林田の目から涙がぽとりと零れ落ちた。
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「どうして自分から…壊れに行くんだろう。」
アンドロイド同士の殺し合いを提案したのは私だ。
しかしなぜ自ら望んで死に行く必要がある?
「奴はよく昔から言っていたらしい。政府に協力することが、最後に造られたアンドロイドの義務だってな。その言葉が奴の名前に繋がった。」
「デユーティ…?そのアンドロイドの名前、Dutyって言うの…?」
「…早く帰れ。セナが心配するぞ。」
林田は私を家に帰らせようとした。
私は呆然としていて、気がつくと林田のオフィスから追い出されていた。