Duty デューティ

□17話 狂った彼
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 彼が復讐を誓った場所。

そこに行けば何かが分かるかもしれない。
そう思い、私はリョウとルナが最後の仕事をした場所である2階建てのビルに行った。
きっと彼はこの場所に来て、ショックを受けたはずだ。

なんせ、焼き尽くされて、ビルの中はほぼ何があったのか分からないのだから。
この様子では、彼は2人の骨を見つけることもできなかったと思う。


 ローファーやYシャツをすすで汚し、私はビルの奥へと入って行った。
足場が悪く、2、3度転んだ。
しかしその時、黒く汚れた床の上にガムの紙が落ちているのに気がついた。
そっとそれを手に取ると、ほのかにオレンジの香りがした。

そうだ。

セナがいつも噛んでいるガム。

これはその包み紙だ。

すぐ先の床を見てみると同じものがもう1枚。
その先にもう1枚落ちていた。

私は擦りむいた膝を手で軽くはたき、そのガムの包み紙を追い駆けて、建物の奥へと進んで行った。
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