夢小説二
□鬼灯
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「おーい!千鶴ちゃん!!左之!!………おっかしいなぁ…どこいっちまったんだ?」
私は林の中の茂みに隠れるように草叢に押し倒され、上には左之助さんが覆い被さっている。
「……さっ、左之助さ…ん…ぐ?!」
口を大きな手で塞がれ、息が掛かるほど近くに端正な左之助さんの顔がある。
私の胸は壊れそうなほどに早鐘を打った。
「しっ…、静かに…。新八に聞こえちまう…」
私の口を塞いでいた左之助さんの手がそっと離されると、その手が私の頬に触れた。
「…せっかく二人きりになれたんだぜ?―――――誰にも邪魔されたくねぇ…」
左之助さんの顔が近付いてきたかと思うと、柔らかなものが私の唇に触れた。
「…んっ…」
何度も軽く唇が触れるだけの口付け…。
私が焦れて、ねだるように左之助さんの唇を啄むと、熱い舌が口腔に差し込まれ、顫える舌を絡め取られた。
左之助さんの片方の手が私の手を頭の脇に押さえ付け、もう片方の手が私の髪を撫でる。
優しく慈しむように撫でながらも、私の口の中の舌は激しく動き回り、二つの口が角度を変えながら付いたり離れたりするたびに、ちゅ…くちゅ…という厭らしい水音が聞こえた。
「…んぁ…っ」
左之助さんに触れられた部分からじんわりと広がっていく甘い痺れが全身を覆い、私の身体は小刻みに震えた。
「…大丈夫か?」
左之助さんの唇が離れうっすらと目を開けると、色香を含んだ黄玉色の瞳に、恍惚とした私の顔が映っているのが見えた。
「…大丈夫…じゃ、ありません…」
私は狼狽え、しどろもどろになって返答した。
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