夢小説二

□薄荷
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 ―――――――けたたましい程のセミの鳴き声が頭に響く。
瞼の裏の血管が透けて真っ赤に見える。

眩しい…。

僕はゆっくりと目を開けると、畳の上に半裸で横たわったまま、顔だけを部屋の中の方へと向けた。

僕の横に、腰巻きだけを身につけたあられもない格好の千鶴ちゃん。

畳に頬を付けて横たわったまま、目を瞑っている。
規則正しく胸が上下し、静かな寝息が聞こえてくる。

「…この暑いのに、よく寝てられるよね…」

僕は千鶴ちゃんの寝顔を覗き込みながら、のろのろと起き上がった。

喉が渇いた…。

机の上の湯飲みに残っていたお茶を飲むが、少し喉が潤っただけで、暑いことに変わりない。

ふと、机の上に置かれた小さな木箱が目に入った。

薄荷飴……。

そういえば、近藤さんが涼しくなる…って、くれたんだっけ…。

油紙に包まれた飴を、一粒口に入れてみた。

―――――!

鼻からツンと、冷たい風が抜けるような刺激。
口の中が凍ったみたいに冷たくなったかと思うと、じわ…っと熱をもって……。

とてもいいことを思い付いてしまって、僕は千鶴ちゃんのもとへと戻った。

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