夢小説二
□嫉妬
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ざぁざぁと一向に止む気配の無い激しい雨音が、湯殿に響いている。
雨粒が地面に叩き付けられる音を聞きながら、私は泥だらけになった身体をお風呂で清めていた。
沖田さんに路地裏に連れ込まれたとき、最初は怖いと思った沖田さんが、何故か私は拒めなかった。
無理矢理犯されて辛いはずなのに、今はもう…不思議と涙も出なかった。
沖田さんに強く掴まれていた手首には指の痕が赤黒くはっきりと残っていて、その痕を見ていたら先刻のあの行為を思い出してしまい、私の身体は震えた。
そして、耳元で聞こえた沖田さんの声や私に触れる指遣い…荒々しい交わりを思い出してしまい、身体の奥底が熱く疼くのを感じた。
いつも優しく接してくれる原田さんに私はいつしか恋心を抱き、原田さんも私を受け入れてくれた。
それなのに……。
お風呂からあがり自室に戻ろうとすると、部屋の前に壁に凭れている人影があった。
―――――原田さんだった。
「……ちょっと、いいか?」
暗く沈んだ顔。
いつもの優しい眼差しではなく、暗く影を落とした瞳は射るように鋭く私の胸に突き刺さった。
「…は、はい…」
部屋に招き入れ、暗い部屋の行灯に灯をともすと、急に後ろから原田さんに抱き締められた。
「…やっ…!」
後から…先刻の沖田さんとの行為を思い出してしまい、思わず身を竦めて声をあげてしまった。
「…やっぱり…、総司に何かされたのか」
私の耳元で聞こえる、原田さんの声が震えている。
襟元を力任せに広げられ、沖田さんに付けられた痕が原田さんの目に曝された。
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