二次創作 英雄!

□冷たい地下で...
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 寒い、寒い。誰かおらぬか。アルケイン、フェルトっ!!余に毛布を持ってきてくれ。メリーメリーは、極上の虫を用意してはくれぬか?おい、聞いておるのか?アルケイン、そんなところでヘラヘラ笑ってないで余にもそのワインを寄越せ。おい、アルケインっ!!
 むぅ、アルケインもフェルトもメリーメリーもだれも余の言葉に反応しないじゃないか。これは夢か?こんな悪い夢なら早々に立ち去るがよい。余は一人で永らく生きるなんてまっぴらだからな。
 アルケイン、いつもみたいに葡萄畑を増やせと余に言いに来ればいい。まだ、十分な土地を貴様に与えておらぬぞ。フェルト、またお前の星おとし余に食らわせてみよ。余はそれくらいじゃくじけぬからな。メリーメリー、病院ならいくらでも広くしてやる。みんな余のもとに帰ってきてくれ。余は一人は嫌じゃ。
 余はもう眠い。こんな寒いなかでずっと待ってられぬわ。余は眠いから寝るぞ。だから、余が凍え死ぬ前に早く迎えにこい。


 「ネフィ……エ…ド」
ん?誰だ、余の眠りを妨げるのは。
「こん…と……眠って…たとは…………きろ!」この声は、フェルトか…?

ドゴッゴゴゴッゴコドドド゙ゴゴゴゴ!

「起きたか?」
「…。」

遅い、迎えにくるのが遅いぞ。その時の余の身体は冷たかった。フェルトの爆炎魔法がこんなにも暖かいなんて、初めて知った。
余は、いま幸せだ。



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