>ヅラ銀・土銀SS

□花と月
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 天人相手の戦場で、肩を並べていた間。
 暦の上で、桜は七回咲いたはずだった。

 だのに共に見た桜は一度きり。しかも糧食盗んだ天人深追いして、自陣から離れた山に入りこんでしまった時だ。

 崖っぷちに揺れる山桜。暴れる天人を仕留めるのに邪魔だから切った。
 刃こぼれした。
 研ぎ代は折半で三両ずつ。銀時は半年後まで払わなかった。

  
 花と言われれば思い出す、この一連のことこそが、ヤツと己の関係の象徴なのだろう。

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