>カカイルSS

□癖。(神代)
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 最近、気付いたことがある。



「せんせー!!」  

聞き慣れた元気な声が、人気も疎(まば)らなアカデミーの校庭に響き渡った。
職員室で書類を整理していたイルカは、その声に手を止め、窓の外を見た。
2階に位置するここからは、校庭の様子が良く見える。

 土曜日の、晴れた午後の昼下がり。

アカデミーの生徒達は、授業を終えて大部分がもうすでに帰宅してしまっている。
声はそれら生徒のものではない。

「カカシせーんせーいー!!」

 もう1度、目一杯叫びながら走ってくる人影が、前を歩いていた猫背気味の長身の背中に飛びついた。

 春の暖かな陽の光を受けて、黄金色の髪がキラキラと光っている。
 声の主はナルトだ。今はもうアカデミーの生徒ではないから、ここにやって来ることも稀になった。……はずだった。

 人一倍手の掛かったこの生徒は、自分に随分と懐いてくれ、なにくれとなく理由をつけては自分を尋ねて来る。今日は……どうやら猫背の長身、カカシの後を追ってきたようだった。
 今日も仕事があったはずだが、半ドンで終わるようなものだったのだろうか? そして、当のカカシは、イキナリ飛びつかれたことによってバランスを崩し、後ろにひっくり返っている。
 それを見て、イルカは思わず小さく笑ってしまった。

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