SCHOOL LIFE 長編

□08:騎士寮の生徒たち
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「おっしゃー、終わったー」
「帰んぞー」
「あ、俺今日部活」


教室が賑やかになる、下校時間。





07:騎士寮の生徒たち










やがて体育も終わり、放課後になった。


掃除もそこそこに柚梨は鞄を持って昨日、一条に教えられた騎士寮に帰ろうとしていた。





「おーい、柚梨ー。お前騎士寮に住んでんだろ? 俺もそうなんだ。一緒に帰ろうぜ」





「そうだな。男ばかりだが慣れれば楽しいだろう」
「…………いいんじゃねえの」



銀時たちが柚梨に近づいてきて言った。
銀時がテメェ等は誘ってねぇ、と言い合いを始める。

柚梨は頷いてからそれを眺めていた。





ふと、その後ろに立っている三人組に気付いて首を傾げた。
それに気付いて銀時は、あぁと声を上げた。





「あぁ、こいつらは1Zの生徒な。そんで数少ねぇ騎士寮暮らしの生徒」





「僕、アレン・ウォーカーっていいます。アレンって呼んでください。
イギリス人なんですけど、日本語は得意ですよ」

「俺はラビっていうさぁ。
美人さんが転校してきてくれて、嬉しいさ。仲良くしてほしいさ、柚梨」

「神田ユウ。…………、よろしく」



アレンは紳士的だが親しげに手を差し出しながら、
ラビは笑いながら肩を叩き、
神田は少し素っ気なく言った。

誰もが顔を赤く高揚させている。



「あ、うん、…………よろしくね」



柚梨は頷いた。
無表情ながら、喜びや嬉しさがうかがえるのが相変わらずながら可愛らしい。
今度は六人とも黙って頷いた。



「え、っと。切原くんは?」



昼間に紹介された人物が1人足りないのに気付いて、銀時に尋ねた。



「あー、あいつ? あいつはテニス部なんだよ。だから放課後練習。
しかも親も騎士だからアイツ親と住んでんの。
よく家出しにくるけどなぁ」



柚梨は感心したように頷いた。



「へぇ、テニス。すごいんだね。上手なのかな?」
「うまいんじゃねぇの? あんま見たことねぇから分かんねぇけど、
騎士系テニス部の時期レギュラー候補だってさ。
柚梨、テニス出来んのか?」
「出来ないよ。私はラケットすら握ったことほとんどないし、空振りばっかりだよ」
「マジでか? うちの学園体育の授業でテニスあるし、あそこの先輩に講師たのんでみろよ? スパルタで怖いらしいぜ」
「わぁ、何か怖そう。今度見にだけ行って見ようかなぁ」



柚梨は歩きながら銀時とそんな会話をしていた。










校舎から出て、隣にある騎士寮に向かった。


学園の校舎からも寮に繋がる廊下はあるのだが、何かと曰があるらしくあまり使われていないと聞いた。





この学園は部活が盛んなようで、中学体育会系部が使用する校庭から、少し離れている東門の辺りでさえ人がいる。
この辺りは全面煉瓦になっていて、洋風な花壇も整備が行き届いている。


下校途中の生徒や、部活動最中の生徒、教師でさえ、柚梨を振り向き顔を赤くする。
その花壇の間を歩いていると、見知った顔を見つけた。







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あとがきwith騎士寮男子








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