SCHOOL LIFE 長編
□06:騎士の力
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「ええぇー、柚梨ちゃん体育見学するのかい?
せっかく楽しみにしてたのにー」
06:騎士の力
柚梨は今朝、雷秦に必要以上の運動は避けるように言われていた。
午後には制御の練習も控えているし、それが完璧ではない間は体力の消費は命取りだ。
そのことをティキに説明すると、彼は思いの外、残念そうに肩を落とした。
「すみません。でも、次回には出来るように努力しますから」
柚梨は意気込んで言った。
ティキは柚梨を、微笑ましいかのように目を細めて見た。
「じゃ、楽しみにしてるとしようかな」
ティキは笑いながら頷いた。
「ま、その方がいいかもね。
話によると君、普通校に通ってたってらしいね。
もう騎士校の制度には戸惑ってるかもしれないけど、体育はそういうのが激しいらしいからね。
僕たちはそれが普通だったからよく分からないけど、驚くと思うよ」
「…………そうなんですか」
柚梨は軽く頷いた。
「じゃあ、お勉強させていただきますね」