*ココロの在処

□この感情の理由
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俺のココロは何処に在る?

この苛立ちは何だ?



「おい、お前聞いたか」

「ああ、アレだろ例の超美少女転校生。」

「名前は雨音優奈ちゃんだよな」



朝っぱらからこの始末。

今日は終始優奈の話題でいっぱいだろう。

いや、ここ数週間は続くと思う。



「俺マジタイプなんだけど!」

「何だよお前もかよ〜」



他の奴が優奈の名前を呼ぶ。

それだけで怒り、苛立ちが込み上げてくる。


「でもよ、確か奥村とできてるって話だぜ?」

「アレは只のガセだろ」

「だよな〜」


一発殴ってやろうかと思った。

でもそれは“アイツ”によって阻止された。



『あ、隣だ!!』


そう言って俺の方へと走って来る少女の名前は雨音優奈。



「噂をすれば雨音優奈だ」

「ひゅ〜やっぱ生は可愛いぜ」


さっきからうるせぇ野郎共をギロリと睨んでやった。


そしたらそいつらは俺の怖さに怖じ気づいたのかそそくさと逃げていった。



『隣…?どうしたの怖い顔して。』

「いや、何でもねぇ」



クソっ 何なんだこの気持ちは。


女なんて飽きるほど居るし

くさるほど抱いてきた。


でも優奈だけは他の女のようにはできない。そんな自分がココロの奥底に居た。
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