企画・御礼小説

□【第十二弾】80,000hit御礼小説
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無事今月も校了が終わり
やっとこの忙しさから
少しは解放される









と思ったら



「おい、小野寺。帰るぞ。」


後ろからマフラーを掴まれ
なぜか高野さんと
一緒に帰る羽目になってしまった



どうやら忙しさからは自由になれても
この人からは逃げられないようだ





俺は別に好きで逃げないんじゃない




高野さんの強引なくせに
縋るような行動や言動に
心が雁字がらめにされて
身動きが取れなくなって
いつの間にか





流されてしまうんだ
















今日だって
逃げる隙はあったはずだ




例えば
高野さんの居ない間にこっそり帰るとか
トイレで隠れるとか
走って逃げるとか

まぁ結局は
こんな小学生みたいな逃げ方しか
思いつかないんだが













一つのベッドの中で
二人で過ごしているのは
俺の気持ちが




抵抗出来ないほど
高野さんに
縛られているからかもしれない
















心地よいとは違う






一種の呪いのようなもので







俺の心の底にねっとりと絡み付き
離れない







このベッドの中では
高野さん以外を考える余裕は
与えられない




「律」



優しく抱きしめられ
切なげに
そう呼ばれるだけで
胸が締め付けられる












これは
魔法なんだ







俺の思考を停止させる魔法






「好きだ」





魔法のせいで
俺は逃げ道を失っただけだ







だから








きっと






絡み付いてきた呪文は
時間が経てば解ける


























はずだったのに









「高野さん、離して!!
くださいっ!!」


朝日がカーテンから漏れ出して来た頃


目を覚まし
俺は
いそいでベッドから起き上がろうと
した









ところを



背中から回ってきた手に
きつく抱きすくめられてしまった



「嫌に決まってるだろ。
休日くらいゆっくり寝てぇんだよ。」



背中に頭をつけているのか
低い声が骨に響いてくる
高野さんが触れている部分から
言い知れない痺れを感じる



俺の心がまた支配される




「だっ、だったら…!
勝手にお一人で寝てくださいっ!

俺は帰ります!!」


とは言ったものの


「お前全然力入ってねぇぞ。」



「うるっさいっです!!」


身体が重くて
思うように抵抗ができない


「諦めろ、小野寺」





後ろから耳にキスをされれば
俺は赤い顔を隠して
敗北を宣言するしかなかった




「ち、ちょっと…ちょっとだけですからね!!
1日中とか、絶対居ませんから!」


高野さんが笑っているのが
背中越しでも分かる


言葉だけの抵抗は
結局は無意味なのだ






もう一度
抱きしめられ
また魔法にかけられる




「お前が居ると
安心して寝れるんだよ

起きたらいねぇとか
無しだからな、律」




高野さんから紡ぎ出されるのは
俺だけがかかる魔法の言葉



これが解けるのは



「あんたがしがみついてるから
逃げれませんよ!!」






「あぁ…そ……」




いつになることやら














高野さんの寝息が聞こえる



目を閉じ腹にあてがわれた
高野さんの手に自分の手を添える



今はこの暖かい呪縛に
捕らわれていたい




いつ解けるか分からない








この魔法に














END







皆様に感謝を込めて

2014・3・10


コウ


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