氷帝

□春眠暁を覚えず
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春眠暁を覚えず 処処帝鳥を聞く

夜来風雨の声 花落つること知る多少

春風が舞う昼休み。こんな日は屋上で昼寝に限るな!!

そう思って屋上に行くと、先に来ていたのであろう

若と鳳が去年耳にたこができるくらい聞いた文章を暗唱していた。

「・・・何観てるんですか、向日さん?」

「あ!向日先輩こんにちは。」

すると、観ていたことに気がついた若と鳳がこっちにやってきた。

しかし鳳は若に何か呟いて屋上から出て行った。

「若、さっきなにしてたんだ?」

何を言われたのかは分からないが、固まってしまっている若にとりあえず話しかける。

「あ…あぁ、今度国語で暗唱のテストがあるので、練習していたんです。向日さんもあったでしょう?」

あぁ、そういえばそんなの有ったな…。

「へぇ、お前それ意味分かる?」

当然知っているだろうと思いながらも聞いてみる。

「分かるに決まってるじゃないですか。」

少しむっとして答える若に、俺は自然と笑みがこぼれる。

「じゃ、今の季節は何だ?」

俺からの質問が予想外だったのか、少し送れて

「何を言ってるんですか。頭沸いたんですか?春に決まってるじゃないですか。」

そう、いまはぽかぽかと日差しが暖かい春。

「そういうこと。こんな日に屋上ですることはひとつしかね〜だろ?」

「はぁ?何を…うわっ!」

ポスッ

「何をするんですか!」

「うるさい。黙って寝ろ。」

春眠暁を覚えず

こんな日にするのは勉強でも喧嘩でもテニスでもねぇ。

大好きな奴ととの昼寝に限るだろう。

なぁ、若?
 

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