Short story
□Ti amo
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貴方を愛してる。
でも、そんな貴方はもういない。
「最後に、一つたのみたいことがある。」
静まり返った部屋の中。
彼は呟いた。
「なんでしょう?」
私はその問い掛けに無表情で答える。
「最後に言ってくれないか。名前。」
「私も、言ってくださいな。」
嗚呼、どうしてこうなったんでしたっけ?
遠い遠い遥か遠くの記憶の中。
思い出せない事一つ。
貴方に出会ったその日から、
私の全てが変わりまして、
それから。
今に至る。
私の友人皆死んだ。
残るは私と貴方のみ。
さぁさ勝つのはどっち?
最後の一手。
「本田菊。」
「ロヴィーノ•ヴァルガス。」
「「チェックメイト」」
「Ti amo」
「愛してる」
そういって、私は彼の心臓を貫いた。
そして彼も私の心臓を貫いた。