Short story

□東洋の美しき島国
1ページ/1ページ

東洋に浮かぶ島国。

誇り高き武士の国。

日本。

俺はこいつと同盟を組むことになった。

無愛想で無口の変なやつ。

どうせ、黄色の猿…

それだけしか思っていなかった。

「ここに調印してください。」

俺は黙って書類にサインをした。

すると、日本は用を済ませて部屋を出て行こうとする。

俺はその腕を掴んだ。

だって、挨拶も無しに出て行こうとするなんて、礼儀知らずの奴だ。

日本は俺を睨んで言った。

「何か用ですか?無ければ放して下さい。忙しいんです。」

これは頭に来た。

同盟調印より大切な物があるのか、

ましてや、この俺を差し置いて。

ドンッ

俺は日本を壁に押しつけた。

流石にビビるだろう、と思ったら

無表情でただただ睨みつけている。

「っ............。」

「なんなんですか。」

俺はその凛とした瞳に思わず見とれてしまった。

何なんだ....こいつ。




その時、俺のこいつへの見方が変わった。

東洋の黄色の猿。

気に入っ.....!?

何か口に触る感触がしたと思ったら、

日本の顔が目の前にあった。

「っ....お前っ...今何を!?」

「ふ....あなたがボーとしているのが悪いのです。」

そして日本はそっぽを向いた。

「もしかして、」

「何ですか。」

「もしかしてお前、初めてだったか?」

「っ――――――――!」

そして日本は俺の手を振りほどき部屋を出て行ってしまった。

初めて知った。

「強がりな東洋の島国。






面白そうだな。」

end

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ