Short story
□花言葉
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あなたはいつも花束を持ってきてくれる。
それはとてもきれいなピンクの薔薇の花束。
「こんにちはアーサーさん。」
「よ、よぉ。」
「今日はどうされたんですか?」
菊が問いかける。
するとアーサーは、持っていたピンクの薔薇の花束を菊に押し付けた。
「べっ、別にお前の為じゃないんだからな!!たまたま咲いてたのを摘んできただけなんだからな!!」
と、そっぽを向いて言った。
いや、たまたま咲いてた訳ないだろ。ピンクの薔薇の花束が。日本だそ。ここ。
...まぁ、それはよしとして。
いつものツンデレ発揮に菊は優しく微笑んだ。
アーサーも菊を見て微笑んだ。
すると菊は何か思い出したかのように家へ入っていくとピンクの花を持って出てきた。
「あ、あのこれ、よかったらどうぞ。
菊なんて縁起が悪いんですが.....」
菊が手に持っていた花、それは、
「スプレーギク?」
「ええ。」
「いつも貰うだけなのは悪いと思いまして。あと.....あの......」
「?」
「あとは調べてくださいね。」
菊はそれだけ言い残すと俺を引っ張って家の中に入っていった。