Short story

□my.memory
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「やだよ!菊!!死なないで!」

嗚呼、あなたはなんて綺麗な心の持ち主なのでしょうか。

「私の...プログラ..ムは既に..限界です。」

ごめんなさい。

「そんなこと言わないでよ!いっ...今直すから!」

ありがとうございます....

「ありがと..うござ..います...。」

「え?」

「あなたが...私に心を、体を与えてくださった。」

「ッ......」

「だから私はここにいるんです。」

あなたともっと一緒にいたかった....

アンドロイドが心を持つことは

壊れる前触れ。

そんな事分かっていたのに、

私は、

あなたを愛してしまった。

むすばれることのない恋、愛。

分かっていても愛してしまった。

そのことにかわりはない。

「私は、あなたを好きになれて....よかったです....」

そしてアンドロイドには決して流れる事などありえないものが、

菊の瞳からこぼれ落ちる。

「菊ッ.......」

少年は菊の手をつかみ言った。

「俺も....菊を好きになれてよかった。

最後にひとつだけいいかな?」

「なんですか?」

少年はいった。

俺の名前を呼んでくれ    と、

「お安い御用です。





フェリシアーノ」

そう言い終わるとまるで眠ったかのようにアンドロイドは目を閉じた。

「ありがとう。菊。」

また、その少年

フェリシアーノも菊に寄り添うようにして目を閉じた。

もう、2人は永遠に動くことはないが、

それはまるで




2人の愛の奇跡だったという。

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