SS


◎試し書き、殴り書きなど自由気ままに書いてます

※性的表現、暴力表現、百合、女攻め、ネタバレ有り


◆ナカムラ/乱歩奇譚 

「年下の女の子にあれこれされる日がくるなんてねぇ」

馬乗りになって、くたびれたシャツのボタンをひとつずつ外す彼女を見上げながら呟くと、白く小さな手はぴたりと動きを止めた。

「…嫌ですか」

彼女がむっとしたのが分かり、慌てて訂正する。いい大人がこんなに狼狽えてみっともないなあ。

「違う、違うよ。…こんな冴えないおっさんのどこがいいのかなって、不安になるんだよ」

彼女は目を細めると、ゆっくりと顔を近づけてきて。欲と深く暗い何かをはらんでいる瞳には惚けた自分がうつっていて、恥ずかしいはずなのに身体の底から熱くなった。


「ナカムラさんの魅力は、私だけがわかっていればいいんです」

とんでもない殺し文句。

「…まったく、君にはかなわないなあ」

当たり前でしょ、と薄く笑った彼女はとても綺麗だった。


2020/06/01(Mon) 20:48 

◆戦場ヶ原ひたぎ/物語 

※百合

「結婚するのか…私以外のやつと…」
「私とあなたの間で何かやましいことがあったかのようなものの言い方はやめてちょうだい、そもそも阿良々木くんと結婚するとは一言も言っていないわ」
「付き合ってるってことはいずれ結婚するんでしょ…私は振られたってことじゃん…」
「そうね」
「死にます」
「誰の許可があって死ぬの、許さいわよ」
「だってひたぎと付き合えないなら生きている意味なんてない…」
「私、死ぬまであなたと一緒にいたいのだけれど、それでも死ぬなんて言うのかしら?」
「い…一緒に…?」
「親友として」
「あ、そっちね」
「それに明日阿良々木くんが死んだら、私、フリーになったりならなかったりするのよ。それでも死ぬなんていうの?」
「喜んで生きさせていただきます」
「あら嬉しい。大好きよ」
「ひたぎ…!」
「親友として」
「ですよね」

「彼氏の前で堂々といちゃつくのやめてもらえませんかね、興奮するだけなんで」


2020/06/01(Mon) 20:43 

◆羽川翼/物語 

※百合

「私も翼ちゃんのおっぱいを揉みたいです」
「唐突に何てことを言うの。そもそも誰にも揉ませてないからね?」
「ならば私が第一号に!」
「怒るよ?」
「うっ…」
「………」
「………」
「何か言うことは?」
「え?えっと…翼ちゃん、好きです」
「…そ、そうじゃない!そうじゃないでしょ?!」
「えっ、何で怒ってるの?」
「知らない!」
「ま、待ってよ〜!」


2020/06/01(Mon) 20:39 

◆クロコダイル/op 

「もう…どこにも、行かない、って…言って、くだ…さ、い」

嗚咽を上げながらも何とか言葉を紡ぐ。目の前の大柄な男は、何も言わない。灰皿に置かれた葉巻から嗅ぎなれた匂いがして涙が込み上げてくる。
ひどく身体が熱くなる。燃えてしまいそうだ。

部屋に私の嗚咽と泣き声だけが響く。
にぶいベッドのスプリング音がしたかと思うと強く抱きしめられた。厚く硬い胸から聞こえる鼓動が私のものも同じくらい早くて驚く。

「…悪かった。もう、どこにも行かねぇ」

謝罪の言葉に目を見開く。この男から謝罪の言葉が出るなんて信じられなかった。
かたくなった身体をよりきつく抱きしめられて苦しくなる。鼓動が、早くなる。

「愛してる」

待ちわびた口付けは、涙の味がした。


2020/06/01(Mon) 20:36 

◆バギー/op 

目を覚ます。部屋は真っ暗で、時計を見ると夜も深い時間だった。
嫌な夢を、見ていた。夢だったことにひどく安堵する。右頬がいやに冷やりとするものだから軽く触れると濡れていて、泣いていたのだと分かった。

私達は褒められるようなことをしていないとわかっている。
それでも、彼は私にとって大切な人で。
美しい水色の髪を、愛らしい赤い鼻を、大きく笑う声を、愛し合ったことを、思い出さない日はない。

返して、なんて。誰に言えばいいんだろう。

帰ってきて、と何度叫べばいいんだろう。


誰も教えてくれない、誰も答えてくれない。
だから今日も、泣いてしまう。


2020/06/01(Mon) 20:34 

◆少佐/HELLSING 

「こんな所にいたのかね」
「…少佐」
「通りでノックをしても返事がないわけだ」
「すいません、眠れなくて」
「で、死のうとしていたと」

手に持っていたものをそれとなく取り上げられた。何でもない動作なのにやけに優雅で見蕩れる。

「可哀想に、亡霊がいつまでも君のことを離さないのだね」

座り込んでいる私に目線を合わせるように少佐が膝を折る。こんな所ドクが見たら大騒ぎしそうだ。

「神は気まぐれだ。正気じゃないとも言えるが」
「はあ」
「だから悪魔と出会ってしまったことは君のせいでないのだよ」

いつもの小難しい言葉に気のない返事をしてしまったが、彼が慰めようとしていることは学のない私の頭でも何とか理解できた。

「しかし、勝手に死ぬのを許すことはできないな。一緒に死んでくれると約束したじゃないか」
「…冗談だと思ってました」
「私はベッドの上で君に嘘をつくような男ではないよ」

薄い布越しの手が頬に優しく触れる。彼に温度なんてあるばす無いのにあたたかく感じるのは何故なんだろう。

「愛しているよ、哀れで可愛い私のフロイライン」

金色の双眸が宝石みたいに煌めいた。
それは、この世の何よりも…美しかった。


2020/06/01(Mon) 20:30 

◆レオ/血界 

「っ、く」
「ごめん、沁みた?」
「う、ううん、大丈夫」
「もうちょっと我慢してね」

頷きながら目を強く閉じた。コンクリートで擦り切れた皮膚が消毒液に悲鳴をあげるが何とか耐える。

「よし、終わった」

もういいよ、と言う優しい声に全身から力が抜けた。感謝の言葉を述べると彼女は首を横に振りながらも悲しげな表情を浮かべていて。

「…痛かったね」

柔らかくて白い手が俺の腫れ上がった頬をゆっくりと撫でる。ガーゼ越しの行為なのに熱を帯びていく心臓を誤魔化したくて少しおどけた顔で笑ってみせる。

「はは、もう慣れちゃったよ」
「…これがレオくんの処世術だってわかってる。
それでも…傷付いて帰ってくるのを見るのはつらいよ」

彼女の両腕が伸びてきて、俺の身体はゆっくりとあたたかな胸元へ導かれた。それに応えるように自分の腕を彼女の背中にまわして強く抱きしめる。

優しく手当してもらって、その上こうやって甘やかしてもらえることを嬉しいと感じる自分が不謹慎でいやらしい人間のように思えて…今日だけはザップさんのことを悪く言えそうにない。


2020/06/01(Mon) 20:24 

◆松野清孝/DIVE(アニメ) 

「清孝が一番だよ」

目蓋に降るやさしいキスに胸が満たされる。水底に落ちて錆び付いてしまった自信が奮い立つ。

「僕も…僕も君が一番だ」
「本当に?嬉しい」

大好きだよ。そう紡いだ温い彼女の唇が自分のものと合わさって、粘液が絡み合う音が徐々に響く。薄い背中に腕を回して強く抱き締めた。


彼女が僕を一番にしてくれる、それだけでいつまでも生きていける気がした。


2020/06/01(Mon) 20:22 

◆カイジ/fkmt 

愛されることが怖い。クズなのに、駄目人間なのに、阿呆なのに、馬鹿なのに、愛される理由がわからない。幸せになることが怖い。何か、もっと良くないことが起こりそうで怖い。
この愛しい人がいなくなった時、自分が壊れそうで怖い。

「怖いの?」

うん、うん、と幼子のように泣きじゃくりながら頷く。
犬猫にするかのように白い指先で顎をくすぐられて、びくりと体が震える。

「罰当たり」

噛み付くようにキスをされ、がぶりと唇を噛まれた。
捕食されたのかと思えるほどの激痛に悶えていると、つう、と唇から血が流れる感覚。ああ、自分は生きているんだとぼんやり思った。痛い、生きてる、痛い。気持ちいい。

「私と幸せになるのが怖いなんて、許さないから」

予想外に冷たい手が服の下を這い始めた時には、涙は止まっていた。

嗚呼、幸せに怯えなくてもいいのか、君がそういうのなら、きっとそうなんだ。


2020/06/01(Mon) 20:17 

◆カイジ/fkmt 

結局、どんなにクズだろうが、駄目人間だろうが、私を愛してくれるならそれでいいのだ。
他人にとやかく言われたって気にしない。
楽しく、自分のしたいことだけ、好きなことだけして生きていきたいのは、人間として当たり前の欲求でしょう。私もそうするだけなの。

目元の傷を指先でたどりながら、好きだよ、と優しく囁けば赤くなるこの可愛い男は私のものなのです。
嗚呼、これ以上幸せな事は御座いません。


2020/06/01(Mon) 20:15 

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