Dream

□おそろい
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「ほら、終わったぞ」

閉じていた両目を開いて目の前の鏡をじっくり見ると、左右の耳にリョウとおそろいのピアスがついていた。

「ありがとう、リョウ」

すごく嬉しい、と素直に口にすると彼はそうか、と言葉だけだと素っ気なく聞こえる返事をしたけれど、その実はとても優しいものだった。

「お前のわがままもここまでくるとはな」
「わがままって?」
「小さい頃から僕とおそろいがほしいっていつも言ってただろ。最近は言わなくなったと思ったら今度はピアスだからな」
「…いやだった?」
「そ、そうは言ってないだろ」

手早く後片付けをするリョウは少し頬を赤くしていた。私はそれに気を良くして、にこにこと笑った。

「…痛くなかったか」
「うん、大丈夫」
「それならいい」

こうやってなんだかんだ私のことを考えてくれるところも、すごく好きだなあと思う。

「ねぇ、リョウ」
「なんだ?」
「大好き」
「…知ってる」
「うん」

この幸福に永遠に包まれていたい。

私は神様に祈った。



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