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□9/10は銀高の日
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「9/10ってさ、俺らの日じゃね?」





うっせェ


何が俺らの日だ


ただ俺らの誕生日の真ん中なだけじゃねェか




そう心の中では思いながらも、足は土曜日の学校、それも職員室に向いていて、



ああ、俺やばいんじゃないかと思う



(これでいなかったら……一発入れてやる…!)



右手に力を込めながら、左手を職員室のドアにかけると、勝手にドアが開いた



と思ったら、いきなり誰かに抱き着かれた



いや、"誰か"じゃねェ……



「銀八……痛ェ…」



クリンクリンの銀髪を視界の端に確認し、銀八の肩を緩く押した



「来ると思ってたよー晋ちゃん」



「誰が晋ちゃんだ」



鳩尾に1発入れてやれば銀八は床を転げ回り、俺はそれを鼻で笑ってやった



「ちょ、それは酷いんじゃないの?愛しの銀さんに」



「お前ェ、もう1発いくか?」



また右手に力を込めると、銀八は「はは、冗談だよ」と笑った



「んで、どーする?記念にケーキでも食う?」



「カレカノか」



「え?違うの?」



「…………」



"違うの?"ってなんだ?



彼氏彼女の関係かそうじゃないか?



それとも記念日にケーキを食うのか食わないのか?



いや、この場合は前者だろう



だってアイツ、試すようにニヤニヤ笑ってやがる



「……カレカノじゃ、ねェよ…」



「えー高杉遊びだったんだショック…」



「ちげーよ!ただ…"彼女"じゃねェだろ…」



そう言った俺を見つめ、銀八は笑みを零した



「あーいや……高杉可愛いから、"彼女"でいいよ」



「"いいよ"ってなんだよ!俺がよくねェ!!」



「いーの!だって下手したら高杉、その辺の女より可愛いもん」



そういいながら、銀八はゆっくりと俺を腕の中に包み込んだ



「可愛い言われても、嬉しくねェ……」



「そんなとこも、可愛い」



「嬉しくねェって…」



「可愛い」



「…っ…黙れ……」



ああ、こんなやりとりが幸せだと思うなんて……



どうやら俺は、相当やばいらしい






((ああもう……好きだ……))






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