捧げもの小説
□今日は楽しい…
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発端はある日のエスケープとダネーの会話から始まった・・・・
「あ〜あ、寒くなってきたな〜、人間界にいたらもうすぐクリスマスだよな〜?」
「クリスマス? エスケープ何それ何かのお祭り?」
ここ最近やっと救助隊活動も少しは高まり、忙しい冬の時期を迎えていた。
エスケープはこのころになると、人間界ではある楽しいイベントがあるのを覚えていた。
「なんだよダネー? 知らないのかクリスマスを・・・・って、知らなくて当たり前か・・・でも、お祭りか・・・ちょっと違うな〜」
「え〜いったい何なの!? 教えてよエスケープ!」
「そうだな〜明日の射虎野との修行なしにするなら教えてやってもいいな〜」
「え〜! それはないよ! エスケープ! 僕達まだまだでやっと名が上がってきたところなんだから、ここでサボってちゃ駄目だよ!!」
「じゃあ、レアージュに教えて、また二人だけの秘密に・「する!! 修行なしにする!!」」
「早いな! まあいいや、商談成立!」
そんなにレアージュと秘密にされるのが嫌なのか、ダネーは即答した。
「クリスマスってのはな、俺が記憶を失う前、つまり人間界にいたころにあったイベントだよ」
「へえ〜詳しく教えてよ!!」
「ええっと、確か・・・・大昔に生まれたキリ何とかの神が生まれた誕生日で、それを世界中のみんなで祝おう! ということになって、そのしるしにプレゼントを交換し合うイベントだったけ? あんまり覚えてないな」
「プレゼントを交換し合う・・・・それだけ偉い人なんだね・・・」
「さあな、昔の人のことだからな。
本当に偉かったのかどうかは知らねえよ。
けど、いい日であることにはまちがいないな!」
「へえ〜人間界にはそんなイベントがあるんだ〜!!」
ダネーはエスケープとかかわり始めてから結構経ってきており、少しだが、エスケープのいた人間界についての興味が湧いてきていた。
「ああ、結構楽しいイベントだったのは覚えてるぜ! こっちにはそんなイベントね〜のか? つまんね〜な!」
「ハハハ・・・仕方ないんじゃない?」
「ちぇ! つまんねぇの!」
「ちなみにその日っていつなの?」
「12月25日、明日だな」
「明日かあ〜」
ダネーはこの時にエスケープに対するあることを考えていた。
(クリスマスかあ・・・)
「あ〜さっさと帰って寝るか! 今日は疲れた!!」
「今日もいつも通り影から見守ってただけじゃん」
「いいの、いいの、気にしない!」
そう言って、エスケープは基地のドアに手をかけた。
「ただいま〜」
「お帰りなり、今日はどうだったなり?」
「いつもどおりさ!」
「そうかい、疲れたようだね。
ゆっくり休むなり」
「そうするよ」
そういうと早速エスケープは自分のベットにもぐりこみスヤスヤと寝息を立て始めた。
こういう時はいつも寝るのがはやいなぁ〜っとダネーは思ったが、さっきのことを事を考えると無理もないかと思った。
エスケープが完璧に寝たのを確認し、ダネーは蜂目さんに声をかけた。
「あの、蜂目さん」
「ダネー、どうしたなり?」
「ちょっと、外でエスケープなしで話したい大事なことが耳福さんも混ぜたいんですけど・・・」
「あの、新米娘かい? 別にいいなりよ」
「すみません・・・」
「気にしないなり、確かにあの新米娘とは喧嘩するなりが、一応キジの世話係だからね・・・場はわきまえるなりよ」
そういうと蜂目さんはエプロンを脱いで、ダネーと外に出た。
外に出ると耳福がちょうど飛んできた。
ちょうどいいなとダネーは思った。
「あら〜こんにちはダネー君。
最近どうなの? エスケープ君とは?」
「はい! 大丈夫ですよ! いつも通りです!!」
(何となく思ったなりが、ダネーは今まで質問されたら詳しく答えていたなりけど、最近は簡潔な答えを出すようになったなりね・・・そこのところはエスケープに似てきたなりね・・・)
そう思いながら蜂目はフフッとほほ笑んだ。
「ところで、今日はどんなことで相談なのかしら? オバサンもいるってことは結構重要な話なのかしら?」
「誰がオバサンだって!? 小娘!! その呼び方いい加減やめるなり!!」
「オバサンをオバサンって呼んで何が悪いのかしら?」
「耳福さん! いちいち蜂目さんにちょっかいかけなくていいから! 蜂目さんもスルーすることぐらいわかってください!」
「あ、ごめんなさい・・・」
「すまないなり・・・今度から気をつけるなり」
なんだか、この二人は会うたびに喧嘩するのが、日課になっている。
そのたびにダネーとエスケープはポケモン広場に逃走するのだが、今回は大事な話があるので、ダネーは注意をした。
「うん、で相談の内容に入る前にレアージュ呼ばないとね」
「ビビビ・・・レアージュナラココニイルゾ」
どこから来たのか、噂をしたらレアージュがやってきた。
「いつからいたの? レアージュ?」
「ビビビ、サッキカラズットイタガ・・・」
「ああ、ゴメン。
でも、ちょうどいいや。
レアージュちょっとエスケープ抜きで僕たちで大事な話があるんだ」
「ビビビ? 何ダソレハ?」
「うん、じゃあみんな揃ったから本題に入るね!」
そういうとダネーは説明するため、地面にある言葉を書き始めた。
クリスマス
ダネーはそこら辺にあった木の枝で地面にそう書いた。
「「「クリスマス?」」」
「うん、みんなにも話したと思うけど、エスケープはもともとここの出身じゃなくて、結構誰も知らないような地方から引っ越してきたっていうのは言ったよね?」
ダネーは確認するように言った。
「ああ! そういえばそう言ってたなりね! すっかり、忘れていたなりよ!!」
「そういえば、そんなこといってたわねぇ・・・うっすらとだけど覚えてるわ」
「ビビビ! ソウソウ! 確カニソノ話ヲ聞イタトキハ吃驚シタノヲ覚エテルゾ!」
「そうなの・・・」
ダネーは少し心に来るものがあった。
そう、エスケープが人間の世界から来たことを知っているのは今のところ、本人とダネーと射さんの三人だけなのである。
そのことはチーム内のメンバーにも秘密にしているのだが、やっぱりチームのみんなを騙すことはダネーには少し嫌な気分がした。
しかし、今はすることがあるので話を続ける。
「それで、エスケープのいたところには明日の12月25日にクリスマスっていうお祭りみたいなものがあるんだ」
「そのクリスマスってどんな祭りなんだい?」
「エスケープによると、なんだか大昔に生まれたすごく偉大なポケモンが生まれたらしいんだ。
それでそのポケモンはある伝説に出てくるポケモンだったらしくて、それがとてもめでたいことだから、そのポケモンが生まれた日を世界のみんなが祝うんです。
だけど、そのポケモンはとても優しいから、お礼の証にお互い仲のいいとポケモンとプレゼントを交換し合う風習があるんだって」
さすがにそのまま話すとエスケープが人間だということがバレてしまうので、ポケモンの世界でもあり得そうな形に直して他のメンバーに伝える・・・
「へえ〜、いわゆるお誕生日を世界のみんなで祝うのなりか・・・すごいなりね・・・」
「ん〜?」
「あれっ、耳福さんどうしたの?」
「ダネー君、だったらなんで今は皆祝ってないのかしら?」
ダネーはこの質問に少し焦った。
「そういえばそうなりね・・・なんでなり?」
「ビビビ! 確カニ!!」
ダネーは一呼吸置いてからこう言った。
「それはね、どうやらそのポケモンが死んでしまった後は、そのことがあまり伝えられなくてなって、だんだんクリスマスをする地域がなくなってきて、そのポケモンが生まれた村でしかもうやってないんだって、その村の出身であるエスケープ本人が言ってたよ・・・」
「そうなりか・・・」
「うん、だからねエスケープがっかりしてたからさ、僕たちでやろうよクリスマスて言うのをさ!!」
「大丈夫なの?」
「大丈夫どんなパーティをするのかはエスケープ本人から聞いたから!!」
「わかったなり!! 蜂目、エスケープのために一肌脱ぐなり!!」
「ビビビ! ヤル!! ドンナノカ、興味アル!!」
「私が惚れたダネー君のお願いならなんでも聞くわ!! やりましょう!! ダネー君!!」
「よーし!! 決まり!! それじゃあ、明日に向けて準備開始!!」
「「「「おーっ!! (オーッ!!)」」」」
こうして、救助隊キジ、エスケープを除いたメンバーで明日のパーティに向けて準備をエスケープにはバレないように始めた・・・。