創作 弐
□未完成な
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「今日はどうしたの?つらら」
「・・・申し訳ありません」
「謝ってほしくて言ってるんじゃないよ」
「・・・はい」
「・・・不安になった?」
「・・・」
「・・・ごめんね、つらら。不安にさせた」
「・・・」
「ボクもお前が好きだよ」
「・・・」
「清継くんやカナちゃんの気持ちはありがたいけど・・・ボクにはつららだけだから」
「・・・」
「これは何があっても変わらないよ」
「・・・リクオ様」
「だから、不安になることなんてない」
「あぁ!やっぱり主は素晴らしいお方だ!!」
「相変わらず凄いね、清継くん・・・ね?リクオくん」
「え?あ、うん・・・そうだね、カナちゃん」
「まぁ・・・分からなくもないけど」
「え?」
「・・・リクオくんはあの人のこと、何か知ってる―――あ、ううん!今の無し!忘れて?」
「え?あ、うん―――ッ、・・・つらら?」
机の陰。
微かに引かれる袖口と、そっと触れる冷たい指先は誰も知らない二人だけの小さな秘め事。
暖かくなる胸奥に息を吐いて、ボクはゆっくりとつららの手を握り返した。
了