平凡少女アリスと狂った赤ずきん。
□-プロローグ-
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とある世界。
赤い頭巾を被った少女は森の中を駆けていた。
「大変、お婆様に怒られてしまいますわ…」
手に林檎やチーズの入ったバスケットを持ってパタパタと駆ける少女。
そんな少女を焦らせるかのように鐘が鳴り響く。
「あ、鳴っちゃった…」
その鐘と同時にがっちゃんっと少女の体の中の何かが外れる。
「え?」
すると、たちまち少女の体を中心に光がその世界を包む。
やがて光が収まって、少女の姿が見えてくる。
その少女はさっきの赤い頭巾を被った少女。
少女の背中には大型のショットガンを背負い、手に持っていたバスケットはピストルに変わっていた。
「……さぁ、狩り(ゲーム)の始まりだ。」
にぃっと口元を歪ませ、先ほどとはちがう面影を見せる少女。
―まるで、何かが外れたかのように。
×・×・×・×
処変わってまた別のとある世界。
「また、外れましたか…。」
うさぎが懐中時計を眺めながらぽつり、と呟く。
「…さぁ、仕事(ゲーム)の始まりです。」
懐中時計を閉めて、ぴょんっと跳ねながらその場を後にした。
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