黒山羊さんのラブレター
□黒山羊さんのラブレター
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「何度言えば分かるのですか!」
ある日の昼下がり。小さな郵便局に怒鳴り声が響き渡った。
「あぅ…ごめんなさい…」
「全く貴方って方は…何回間違えれば気が済むのです?」
「…さ、37回…くらい…?」
「間違えた数を聞いてる訳ではありません!」
「で、でも!今回はボクじゃなくってボクに電話してくれなかったルカさんのせいじゃ…」
「私はちゃんと貴方の机にメモを置きました。どうせ貴方の事ですから、ぼーっとして捨てたのではないですか?」
「けどっ…」
「メリーさん…?」
「ご、ごめんなさい…」
メリーと呼ばれた少年は何も言い返せず、自然に俯いた。
ここは小さな村の郵便局。