BSR

□ピコの公算
2ページ/4ページ


「平和な世を作って、そしたらずっと一緒にって…言ってたじゃねぇか!幸村!」


無数の残骸。焼け焦げたような肉片それから、生々しい血の臭気。
そこには二槍を落とした幸村とそれを抱きかかえる政宗が紅と蒼の光を弱々しくも美しく発しながらいた。

「政宗…どのっ…?何故、この様なところに一人でっ…?か、たくら、どのっ…は…?」
幸村は苦しそうに顔を歪め辺りを見渡す。
そして、気付く。
視線を飛ばしたその先に。


あの、固く強い意志を持った小十郎が、涙を落としていた。
大切そうに抱え込んだその両手の中には、見慣れた迷彩服を着た男が見える。

「そう、か。申し訳ないっ…佐助、は…某を…っ」
咽せ、どす黒い血が吐き出される。
「もう喋るな。いいから、もう、大丈夫だから…」
「…政宗殿っ……最後に聞いて、頂け…る、…か」
「っ…何だ?聞こえねぇよ。いつもの暑苦しい大声で言ってみろよ!幸村ぁ!!」
震えてしまっている声を隠すように政宗は叫ぶ。


幸村はそれに答えて咆吼する。



「我!真田幸村はー」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ