BSR

□優美な新妻
2ページ/5ページ

ー夜。


「誰がお母さんだって?」
小十郎は佐助の精液がべっとりと付いた指先を股の後ろ側に這わせる。
佐助の着ている寝間着は最早着ているとは言えない程乱れ、首筋や胸、陰部が隠されることなく露わになっている。

「んっ…片倉さっ……怒ってる…?」
「別に怒っちゃいねぇさ。」
小十郎は相変わらず焦らすように佐助の体を撫でている。顔を佐助の顔ではなく陰部の方に向けているので小十郎が声を発すると息がかかり、その度に佐助の体は小さく痙攣する。
「ただ…てめーの方が母親らしいと思っただけだ。」
確かに今の状況を見ると佐助の方が母親らしい。いや、母親と言うよりは新妻のようにも感じるが、兎も角そのような立ち位置が似合うことに変わりは無い。

「はっ…ははっ…片倉さんやーらしぃっ…」
佐助は少し頬を染めて言い、しかしそれを隠すように戯けて言う。
「…てめーの方がやらしいと思うが?」
「ッアっ!」
小十郎は今までギリギリで触らなかった佐助のモノを人指し指を使い筋を辿り、思わず淡い声を出した佐助に勝ち誇ったような笑みを向ける。
自分の出してしまった声と小十郎の笑顔に顔はさらに赤くなる。

「っ……片倉さんのっ…へんたいっ…」
「はっ…確かにそうかもしれねぇな。」

“変態”という言葉に小十郎は納得するように頷き、そうしながら佐助のモノの先端から溢れ出る白濁の液を舌で舐めとる。
「なっ…に?」
佐助は予想外の行動に体を強張らせる。
「変態、だろ?」
一度顔を上げてそう言った後再び顔を下に向け、今度は佐助のモノの先端だけを口に含み、舌でまさぐるように先端の小さな穴をくすぐり愛撫する。
「ァ…んっ……やぁっ」
「っ…」
“変態”という言葉は強ち間違っていなかった。
いつもの飄々とした姿は何処へやら、自分の言葉に、行動に、一々反応してしまう佐助が可愛くてしょうがなく、もっとしてやりたいと思う自分は相当の変態だ。

このご時世、男同士で性行為をは珍しくなかったが自分だけはそうはならないという信念を持っていたというのに今はどうだろうか。この状況を昔の自分にどう言い訳する?佐助を愛おしいと思うまで時間はかからなかった。ましてや男の性器を口に含むなど昔の自分に斬り殺されてもおかしく無い程だ。今だって、自分に辱められて気持ちが良いはずなのに恥ずかしくて“やだ”と言ってしまい、その上可愛らしくも小十郎の髪を自分の方へ引き寄せるように掴んでいる。まるでもっとして欲しいとでも言うかのように。
“変態”も末期、いやむしろ花盛りである。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ