BSR

□俺のものverダテサナ
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ー俺のモノになったはずのあいつは今他のもんに夢中だ。


「ここの団子は最高でござるっ!!」

俺の恋人、真田幸村は今、というよりは年中無休で団子に夢中だ。
両手に三色の団子の付いた串を3本ずつ持ってそれを頬張るのを見た日には六爪の名を譲ろうかと思った程だ。

俺は茶をすすりながら隣にいる幸村の顔を見る。何とも幸せそうな顔だ。
(こいつから下町へ行こうと誘われて浮き足だって来たはいいが・・・団子が食いたかっただけかよ・・・。)
俺は深く溜息を吐く。
夢中なもんが人なら対抗のしようがあるものの、団子ではそんな気も起きない。

「む?政宗殿?全然食しておられぬではないですか!く、口に合いませぬか?」
人の気も知らずに幸村の目が俺を見つめる。


マジで、かわいすぎ(ワンコ的な意味で)。


「いや、あんまし食欲が無くてな。」
政宗はチラ、と皿の上にある団子を見る。餡ののった団子二十本も食えるわけねぇだろ、と苦笑して。
「なんと!ならばこちらの団子ならどうでござるか?」
幸村は味の問題かと勘違いし自らの食べかけの団子を政宗の方へと差し出す。
「いや、味の問題じゃぁ・・・って、コレ食っていいのか!?」
間接キッスだぞ!いいのか!?と心中をたぎらせ問う。
「はい!どうぞ食べて下され!!」

純粋な幸村の笑顔が眩しすぎる。

政宗は幸村の手から団子を食べる。
つまり、「あーん」だ。
「間接キス」と「あーん」の両サイドからの攻撃に悶え、顔がにやけそうになるのを必死に我慢し、いつもの決め顔で団子を呑み込み舌で唇を舐める。

「ん。美味いぜ。」
これに幸村が顔を赤くしたのは言うまでもないが、それでも嬉しそうに
「良かったでござる!」
と言った。
「政宗殿に食してもらえねば来た意味がござらん。」
「an?団子が食いたかったんじゃねぇのか?」
「?政宗殿と食したかったでござるよ?」
おそらく幸村は純粋に美味しいものは一人より二人で食べた方が良いという意味なのだろうが、それでもそう言われれば嬉しいに決まっている。

団子よりも一歩劣っている気もするが、取り敢えずは


こんな日も悪くない。
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