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□姫の真実
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「…っ……んァ…」
「っ…やべぇ…はまりすぎだろコレ…」

元就は元親の言葉を耳元で聞き流し、震える手でシーツを握りしめた。自分の中にある元親のモノを熱く感じながら虚ろげに霞む目の前の畳を見やる。灯した灯籠の灯が揺れ、重なり合う自分たちの影が大きく動く。
元就は影の動きを焦点の合わない目で追いながら想う。
−何故。
 何故、こんなことになっているのだろうか。
時は、数刻前へとさかのぼる。


『何?我に嫁を娶れと言うのか?はっ、そんなもの我が策内に必要ない。』
『しかし、後継者は必要です。』
『……そこまで押すのだ。相手はもう見つかっているのだろうな。』
『はい。姫和子というものです。』
『ふん。ならば我が直々に出向いてその姫和子とやらがどの程度のものなのか拝見してやろう。』


−そうだ…。側近の…誰だったかは思い出せないが、そいつに言われて来てみれば姫和子 とは賊の長宗我部のことで、しかも長宗我部邸の方は方で嫁が来るということになって いたのだった。
顔も覚えていないような奴の言葉でわざわざ嫁を貰いに来たというのに…。
 何故、我がこんなことになっているのだ…。

「おい。最中に他のこと考えてんなよ。」
想い耽っていた元就は突然耳元で声をかけられ体を小さく震わせる。
が、すぐに顔を半分だけ元親の方へと向け
「他のことでも考えていなければこんなことっ…やってられんっ…」
と返す。そしてまたすぐに顔をシーツへと埋める。
元親はその様子に口元を緩める。
「そういうなよ。俺のところに嫁に来たんだろ。もっと素直になれって。」
「だからそれは間違いだと言っておるだろう!」
−そうだ…こやつは間違いだと分かった上で我とこのようなことをしているのだ…
元就は眉をひそめ、ため息をつき言う。
「だから貴様は馬鹿だと言うのだ。」
「俺は、」

元親は一度言葉を切り、罵声を浴びせながらも震えの止まらない元就の手の上に被せるように手を置き、
「おまえでよかったけどな。」
と耳元で囁く。
「っつ…!」
元就の顔が赤くなったのが耳に微かに触れた元親の唇に伝わってくる。
元親はそのまま耳に舌を這わせ耳たぶに軽く歯を立てる。そして汗で張り付いた髪を気にすることもなく首筋に吸い付き赤い跡を付ける。
「い…い度胸だなっ…我を噛…むなどっ…」
元就は息を細やかに吐きながら声を震わせる。
「でも、気持ちいいだろ?ほら。」
そう言い元親は元就のモノを指で撫でる。
元就のモノは淫靡に半透明、白濁色の液が滴っており、それは足の付け根、太股の筋に沿って流れシーツに落ちる。
元親は手の上で転がすように元就のモノに指を這わせる。下の方の膨らみを指の腹でさすり、棒を手の平で伝え、先端を指先で押す。
「っん…ァ……」
手でさするほど元就の中は不規則に痙攣しすでに入っている元親のモノをきつく締めた。そしてそれは元親のモノを更に大きくさせた。
「馬…鹿か貴様っ…これ以上大きくした…らっ…っはァ…ん」
「そろそろ大丈夫そうだなっ…。」
確認をとるようにそう呟くと元親は両手で元就の体を抱きかかえ、半分まで入っていた自分のモノをゆっくりと奥まで入れたる。何度と繰り返すうちに元就のソコは十分に柔らかくなり、元親は少しずつその動きを早めた。
その際、体を支えている指の先で元就の胸の突起を摘み優しく嬲る。
「ふっ…ッァ…っン」
元就は次第に我慢できなくなり色艶やかな声を唇から零す。

「っ…ァもと…ちァっ… …」

意識が飛びそうなのだろうか。普段滅多に人の名を呼ばない元就が“元親”と確かにそう言った。
それに対し元親は小さく舌打ちをすると元就の足を掴みうつ伏せになっていた体を回し仰向けにする。
「な、何をっ…」
そして元親は元就の唇に自分の唇を重ねた。唇を舐め、舌に吸い付き、口内を掻き回す。水の混ざり合う濡れた音が閉め切った部屋に響く。
その音の所為なのか、それとも灯籠の灯が顔を照らしている所為か、はたまた元親の急な口吻の所為なのか。元就は珍しくも戸惑った顔をしていた。
そして、その戸惑いを打ち消すかのように掴んでいたシーツから手を離し、元親の首に腕を回し不慣れな口吻を返す。
「はァっ…っん…っ!?」
おそらくその所為であろうか、元就の中に奥まで入っていた元親のモノは更に大きくなる。
「ま…まだ大きくなるのかっ…」
「お前が可愛いのが悪いんだよ。」
そう言い元親は再び熱い口吻をする。
今度もまた急だったので元就は上手く呼吸を合わせることが出来ず、唇の隙間から苦しそうに甘い吐息を漏らす。
元親は片手は元就の腰に添え、もう片方はその頭を抱え込むように置き、


それは、
まるで恋人同士のような後景で。


元就は唇が離れると呼吸を整えるように息を吐き、元親のきれいなアッシュグレイの髪に指を通す。
ハラ、と固めてある元親の髪が数本落ちる。
「我を可愛いなどと言うのは…貴様ぐらいだぞ。」
元親は自分の髪に触れていた元就の手を取り撫でるような軽い口吻をする。
「当たり前だ。他の奴に可愛い所なんて見せんなよ。」
「なっ…!!」
元就は元親の言葉に顔を真っ赤にして体を強張らせる。
その様子は元親により愛おしさを感じさせた。
元親はもう我慢が出来ない、と言うように体を元就に被せたまま両手で腰を掴み入っていた自分のモノを更に奥へと入れる。
「ッアっ!」
元就が細い声を上げ元親を掴む腕に力を込める。
先程、元親により丁寧に解されたソコは抵抗もなく元親のモノを呑めるだけ呑み込む。
「ッふ…はァっ…」
元就は苦しそうに息を吐きながら腰を震わせる。
元親は心配そうに元就の顔を覗き込み、
「まだ痛いか?」
と声をかける。
「ちがっ…う…何かへ…んっ…だ」
そうか、と言うと元親は元就の頬、目尻、耳元に軽い唇を触れさせるだけの口吻をする。
そして再び腰を一定のリズムで上下させる。
チュプッ…ジュッ…
淫靡に水の混ざり合う音が響く。

もう灯籠の灯も弱く、どれが互いの影でどのように動いているかなど到底分からない。
いや、分からない方が良い。この影の動きが二人の人間の動きであるということなどがあからさまに解ってしまうようではこの行為に含まれる意味合いは薄れ、霞み、無いものと同じになってしまう。それに、いつも聡明で周囲のことによく気が付く元就が自分の出している音や灯籠の灯の影よりも、すぐ耳元で聞こえる元親の息遣いの方が気になりその所為で体を熱くしているのならば尚更だ。

「あっ…だめ、だっ…そんなに動いた…らっっ…」
「悪ぃっ…もう、無理だっ」
元親は相変わらず腰の動きは止めず、右手で元就の頬を撫でてそのまま顎に添えると味わい犯すような口吻をする。
そして、
「っアァッ!!」
「っつ…!」

二人は同時に絶頂に達する。
二人の意識は朦朧と互いの温もりへと埋もれていった。
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